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2007年釣行レポート一覧  注)以下は併設するブログ「毛鉤を巻いて川に行く(釣行編」に掲載していた記事です。 釣行レポート(6月2日)

2007年06月02日
佃煮あまごと天ぷらイワナ・・試練は続く

■T川
■2007-6-2(土)
■佃煮サイズのあまご・・・片手鍋で佃煮が出来るほど
 天ぷらサイズのイワナ・・3匹
 17センチ前後、塩焼きサイズのあまご・・2匹
 (全部リリースしてますけど!!・・なんでやねん?)
■同行者なし
午前9:00過ぎ、T川の下流域に立ち込む・・・・初めて雨が降らない日の釣り・・
今日はドライで基本の釣りをする!・・ひとカーブ釣り上がってライズ発見!・・さっそく岸際をゆっくりストーキング・・
この川はいつも一匹目でつまずいて、ケチがついて落ちていく・・この一匹目をしっかり獲ってリズムをつかみたい。
「よっしゃ・・射程距離に入った・・エエところでしとるやん!・・おぉエエ魚やんけ・・気負うな・・冷静にやれば絶対獲れる・・」と、毛鉤を投じた途端・・試練の一日が幕を開けた。



先々週に家内が骨折して松葉杖・・もう絶望的と思ったが以外と回復が早く松葉杖を手馴れた扱いで動き回れる様になった。
しかし、仕事はそれなりに忙しい・・金曜の夜は気張っても仕事が残り、休日出勤する程ではないので渋々ファイルを持ち帰り、自宅に帰ったのが夜の零時過ぎ・・飯食って風呂入って・・一時半・・「そろそろ寝るかぁ?」と立ち上がると・・
「明日行くんやろ?」
「いや、明日は出勤せぇ~へん・・」
「ちゃうやん・・釣り・・エエ天気やで」
「・・・・・今からじゃぁ~・・準備すんのも・・」
「アンタその辺りはいつもバッチリちゃうん・・」
・・なんて会話をしている間に、全く予期していなかったにも係わらず、しっかり行く気になっている。
このまま荷物を積んで夜駆けすれば丁度夜明けに着く・・
(・・んで?夜明け一番にドコのポイント入んねん?そこまでまだあの川知らんやろ?・・それより今から寝て朝駆けして、日没まで一日中歩くのが今の俺には大事やなぁ~・・)と言う思いが湧いて、とりあえず玄関に荷物を出して床に就いた。

そして4時間弱の睡眠・・6:00過ぎに家を出て高速に乗り・・京都東ICで降りて下道・・
「30とは言わん・・25~6でエエ・・」・・と前回のリベンジが脳裏を過ると・・(まず川を知ることやろ・・)と、ドコからか声が聞こえる様な気がする。
8:30頃下流側の漁協前・・・そしていつものイブニングのポイントである最下流の[濃紺の鉄橋]に到着!
いつもの様に車を停めて橋の上から川の様子を見る。
「チョット多い(水量)けどエエ流れや・・今日は快晴やし・・雨降らんやろし・・さてと・・」
車に乗り込みエンジンをかける直前に・・(ここは一匹目が鬼門や・・いつも、そのチャンスは殆ど入渓直後に来る・・それをちゃんと獲ったらおそらくリズムを掴んでエエ日になる筈や!・・この時間じゃ上流域は既に人の後追いになる・・・この前、ここの上手でウェットで結構水面まで見に来たし・・ここでチョット入ってみよか?・・もしかしたら、ここは今日一の入渓者かもしれん・・)と言う思いが湧いて、再び車を降りて身支度を整えた。

「よぉ~し・・今日はドライじゃ・・これしかないし・・」・・出発前、5番ロットを引っ張り出す手が止まり、ホイットレー3箱を下駄箱の上に置き、そのままの勢いで飛び出てきた。
今日のロッド・・#4以上は8フィート一本だけ、後は全て2~3番ロットである・・・今日はウェットを出来なくした。
こうすると、外れたら後悔するだけで、釣場を前にして迷うことがない。



午前9:00過ぎ、水温13℃、晴れ!・・8フィート3インチの2番をチョイスし鉄橋の袂から川に降りた。
そしてパイロットフライに選ばれたのは#16クイルボディーパラシュート・・18フィート弱のリーダーで鉄橋の真下から釣り上がった。
前回濁りの中から魚が浮いたポイントは全く魚影を感じない・・しかし、気にせず釣り上がって行く・・やがてかなり上流部の瀬脇で弾けるライズが視界に入った。
「あれが今日の取っ掛かりの一匹目か?・・・よし・・絶対獲ったる。今日はライズ獲りの毛鉤はバッチリや!」
さっそく岸際をゆっくりストーキング・・手前に岩があり流れもあってややクロスで狙え、かなり距離も詰めることが出来そうだ・・
太く強い流れをゆっくり・・ゆっくり・・その間も2回程しっかりしたライズが確認できた。
「よっしゃ・・射程距離に入った・・エエところでしとるやん!・・おぉエエ魚やんけ・・気負うな・・冷静にやれば絶対獲れる・・毛鉤はこのままで行けそうやな・・一投目で出ぇ~へんかったら考えよか・・よし今や!」・・と、一回のフォルスでプレゼン・・毛鉤は少し狙ったところより上流側に落ちた。
(ありゃりゃ・・まぁエエは・・レーンにはのっとる。)・・と思った途端・・
[パシャ!]
・・ライズ点の1m弱上手で小物が毛鉤を引きずり込んだ。
(ゥウッ!・・何やってくれとんねん!・・吐き出せドチビ!・・静かにしとれぇ・・・)
「あぁ~ぁ!・・何で?・・・」・・・水中で一瞬、ギラッと輝いた魚は何かに怯える様に浅瀬の対岸を素早く泳ぎ去った。

大きな溜息とともにアワセも出来なかった苛立ちに、ひときわ力強くラインを上手に打ち返した。
・・・(ゥウン?・・)



「こら!・・おじょ~ちゃん!・・邪魔!・・あのぉなぁ~タダでさえこの川にツキないねん!・・・この俺・・・特に一匹目は大事やねん・・ホンマ!」・・と口走った途端、ハッとした。(アカン・・何時も通りやんけ!・・そうや・・)
「お前が一匹目やなぁ~・・まぁ~・・ちぃ~こいのによぉ~喰てくれた・・オオキニ、オオキニ・・写真撮ったろ!」
といつものジンクスを掻き消す様な往生際の悪い無理からの思い込み・・元気で大きくなれよと離したものの、こんな態度をT川の女神が見逃す訳がない。
このドチビが今日の仕打ちになるとは知る由もなし、このプロローグとともに本日ドピーカンT川ドライフライフィッシングの幕が開いた。

時計は10:00を少し回った所・・「一匹目も無事に釣った(嘘つけ!)事やし・・この前断念した青い橋から入って歩いてみよかぁ?」・・と、上流を目指す、以外と車が無い・・[●見]の集落址を超えてもう少しで青い橋と言うところで[岐阜ナンバー]、橋の袂に[滋賀ナンバー]・・
「ちょっと、厳しいなぁ~・・割って入る事になったらアカンし・・H川上流の堰堤前後を歩いてみよか?」・・と更に上流を目指す、O川合流に一台、H川合流にも一台・・少し上がった所に[京都ナンバー/奈良ナンバー]のペア・・程なく堰堤が左に見えた。
「・・あの京都と奈良の車・・おそらく堰堤狙いやろな~・・下がって後追いするか?・・上に行ってみよか?・・」・・と更に上流を目指す、ひとしきり走ったところで駐車スペースを発見・・よく見ると昨年停めて釣り上がったところである。堰堤からかなり距離もあるし、ここから釣り上がって見ることにした。

一投目に瀬尻で出た・・・しかし、小さい。

・・・一応写真を撮って放す。
また来た・・・これも小さい。

・・・また・・・これもチビ!・・・

(なんでや・・狙い場所が悪いんか?・・いやそんなことは無いはずや・・一応は一等地やろ・・)
しかし、それから・・
開き・・・・チビ
瀬頭・・・・チビ
瀬脇・・・・チビ
ブッツケ・・チビ
巻き返し・・チビ
弛み・・・・チビ
落ち込み・・チビ
ポケット・・チビ
石裏・・・・チビ
・・・ホンマに・・
流芯・・・・チビ
「エエ加減にせぇ~よ!・・ホンマ!・・ここのアベレージは25センチ前後とちゃうんか?・・」
(まさかこんなとこに潜んどんかぁ~)・・[パチャ]、・・(ゥウ~やっぱりお前やろぉ)~・・とアブラハヤを無言で返す。
(どこや?・・やっぱり先行者が今日の着き場を抜き切った後かぁ~・・・それにしてもチビの魚影は濃いなぁ~・・こりゃ、やっぱりすごい川やでぇ・・)
もう、後は白泡の真ん中ぐらいしかない・・アブラハヤ覚悟で大岩の弛みで少し水通しの良いところを狙う・・・しかし、やっぱりチビ・・10センチを漸く超えたか否かのサイズ・・よく見るとイワナだった。
「お前かぇ~・・お前までちぃ~こいんか?・・」と、リリース・・(・・はぁ~ぁ・・何匹釣ったやろ・・これが今日の試練か)・・大きな溜息が出る。
(しかし、この川・・晴れたらこんなに日当たりエエんや・・こりゃ結構水温上がるでぇ・・夏は厳しいやろな~山の端からお日さん出るまでが勝負やろなぁ~・・バスと同じ様に陽が射したらアウトやろ・・今日もこれから暫くは日陰狙いやで・・しかし、日陰があんまりないしなぁ~・・)と、晴れ渡った空を見上げた。
時刻はもう直ぐ午後1:00、川に中州がある所で道の向うに沢があり、道に上がれる足場を見つけて昼食を取る事にした。



昼食を終えてから、更に上流を目指す・・ドコまで釣りが出来るのか・・道が渓よりかなり高くなりまた少し近づいた・・
「この辺りは入れるんやろか・・あのへん美味しそうやなぁ~・・もっと上はどうやろ・・」・・程なく行くと橋があり谷が分かれている。
そこから川が小さくなった・・やがて上流域の通行止めの看板・・その前が結構日陰に成っていた。
時刻は2:00・・「この前チョット入ってみよか・・」



日陰だが結構浅い・・しかし、一応はやって見る価値はある・・・石周りに的を絞って一投目・・#16アントパラシュートに綺麗に出た。



でもやっぱりチビではないが、T川あまごとしては小さい・・直後に同サイズをもう一匹追加して釣り上がると、またドピーカンの葦の流れが続く・・車に戻ってもう少し上流を目指すことにした。
少し上がると[●明]集落址の橋・・もうかなり流れが小さい・・「この辺りも釣れるんやろか?」・・もう少し・・と上がると道は二車線になった。
(やっぱりあの橋から下手やな~・・さっき釣ったとこも、やっぱり上がりすぎやな~・・と言うことは、やっぱりあの杉木立から緩やかに曲がって葦の瀬・・あのへんが上限やなぁ~・・そやけど・・お日さん高いし・・チョット昼寝しょ~か・・)・・とウェイダーを脱いで、[●明]に掛かる橋の上手に車を停めてシートを倒した。

・・寝れない。・・時刻は3:00を少し回った頃・・少し曇って影が出始めた。
(さっきの場所行ってみよか?・・)

今度は下流を目指す・・先程釣ったポイントを過ぎてひとしきり下ると、お目当てのポイントが見えた。
(このへん・・どこから入るんやろ・・もう少し、下手かぁ~・・・)・・上流から下がって来るときは一度下流側を確かめてから入渓しないと、降りたは良いが、釣り人が居るという状況にもなりかねない・・それも含めて調べる為・・ひとカーブ曲がって見ると・・
「ありゃりゃりゃ!・・入ってはりまんがな・・と言うことはこの辺・・探せば降りるところあるんや!」・・
先程、H川上流の堰堤辺りに停まっていた[京都/奈良ナンバーのペア]がここまで移動して来ていた。
(しゃ~ない・・青い橋まで下がるか・・)・・と延々走って青い橋の袂に車を停めた。
時刻は3:30・・橋の袂から入渓・・
しかし、結果は午前と同じ・・・チビ・・チビ・・チビのオンパレード・・



30とは言わないが、確実に佃煮サイズは20匹は釣っている。
(そりゃ・・来るとき車中で30とは言わないまでも25~6と言いましたよ・・でも・・ありゃセンチなんですけど・・)

結局6:00を回っても、チビ・・チビ・・チビ!
川から上がり、帰路半分でいつものイブニングポイント・・[濃紺の鉄橋]・・・
時刻はもう直ぐ7:00・・
ライズが始まりだした・・しかし、やはり小さい・・大きくても13センチ程度・・中には5センチ位の奴もいる・・
見上げると、前回よりはカゲロウが減り、トビケラとカワゲラが増えている。
空を見て川に目線を戻すと暫く暗くてよく見えなくなってきた。
(毛鉤変えるなら今しか無いぞ・・)
もう・・チビはいい・・今日の試練は謙虚に受け止めよう・・
(こんな日でも、ここに通いなれたBさんやOさんなら、きっと結果を出しはるんやろなぁ~・・)・・と、大きな溜息!
「よし!交換!」
相変わらずドチビのライズが散発している・・リーダーは3X・・フライは#10マドラーセッジ・・
「フラッタリングカディス!・・・さぁ~飛びまくれぇ~・・潜れよヒゲナガ!」
しかし、なかなか水面近傍を飛ばない。
時刻は7:30・・瀬尻で大きく水面が炸裂した。・・
(よっしゃ・・)
7:35・・・それっきりライズはない・・数秒のフォーカスで川面をチェックしていく・・また瀬尻で炸裂した。
(あの一匹だけか・・しかし、今日は水面を飛ばんなぁ~・・アカンもう限界近いぞ・・もう一回出るか、7:40になるか・・それで勝負や・・)
・・・・
7:40・・(よし、行くぞぉ~・・)
もうかなり暗い・・クロスにキャストし暫くナチュラルドリフト・・・ラインが延び切った所で大きくバイブレーション・・そして逆引きを始める直前で大きく水面が炸裂し手元に大きなショックが伝わった。・・
しかし、それっきり・・悔しいが最後のチャンスも弾かれた。

空を見上げると星が見える・・「久しぶりやなぁ~・・ココまで粘ったん・・」
7:45・・・納竿・・

しかし、俺、惣菜屋ちゃうっ!!ちゅーねん!・・佃煮サイズと天ぷらサイズばっかり・・ホンマ!


道具:日中8フィート3インチ(DT-2-F)・イブニング8フィート0インチ(DT-4-F)
毛鉤:DRY(クイルボディーパラシュート#16、アントパラシュート#16、#18、
    イブニングはマドラーセッジ#10で不発!)   WET・・封印!

・・エピローグ・・
T川の女神様・・おチビちゃんはちゃんと全部やさしくリリースしました。
だから今日釣った魚を来年もう一度釣らしてください同じ数だけ・・
同じ魚ですよ・・(来年はデカイぞぉ~あのチビどもも・・そりゃぁ~デッかなっとるやろ・・)
あきまへんやろか?

posted by bacoon at 23:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 湖北に行く |

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