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2007年釣行レポート一覧  注)以下は併設するブログ「毛鉤を巻いて川に行く(釣行編」に掲載していた記事です。 釣行レポート(7月1日)

2007年07月01日
梅雨の最中の佐々里・・(カワムツミサイル炸裂!)

■美山川・佐々里F&L特別区
■2007-7-1(日)
■あまご&ヤマメ 10匹程度・・
■同行者1名
久しぶりに釣り仲間と釣行・・この時期、確実に竿を曲げてくれる所とのリクエストに美山佐々里川に行くことにした。
水量もこの時期にしては充分で、ココのところ封印していたWETフライで入渓したが、直後からカワムツの猛襲を受けて苦戦・・しかし、それでも何とか竿を曲げてくれるあまごとヤマメに御目文字できて、川原を散歩する気分で楽に釣りができた。今年の佐々里は雑魚さえかわせば好調健在と言えるだろう。



金曜は接待で夜遅くに帰宅、T川が気になるが仕事もあり、それ以上に疲れがどっと出てとても土曜は釣りどころではない。
(この週末は雨やし・・今日もごっつい降ったし!・・行くな!っちゅうこっちゃ!)・・と行けない自分に無理からに理由をつけて床に就いた。
土曜日は相変わらず何時もの様に自宅に仕事を持ち込みウダウダ・・夜9:45分携帯をチェックすると会社の同僚で釣り仲間でもあるYちゃんから留守電が入っている。
(なんや・・どないしてん?・・クレームかぃ?)
折り返しの電話を入れる前に膨大な受信済みメールをチェック・・・すると、「日曜なら行けます。」と言うYちゃんのメールを発見、最近釣りに行けないYちゃんはその反動で釣具屋に通い、念願のロッドを手に入れてウズウズしていたことを思い出した。
携帯に伝言メモがあることに気がつき、再生すると「ピ~ィ・明日はどないしますかいなぁ~・・」で終わり、お初のロッドを曲げたくてしかたないYちゃんの釣りのお誘いであることを確認して電話を入れる。当然翌朝7:00集合が即決された。
翌朝、曇り空に薄陽が漏れる自宅近くでYちゃんの車に乗り込み・・・
「さぁ~て・・どこ行く?」
「・・釣れるとこ!」
「雨は・・降るやろなぁ~・・T川やったらチビなら釣れるぞ!・・昨日は厳かった思うけど今日やったらなんとかなるんとちゃうか?・・・んでも何処でもエエで・・」
「T川ってかぁ?・・あんたはそりゃ下見バッチリやからエエけど、ワタシャまだまだでキツおますぅ・・」
「天増はないし!・・この時期確実に竿曲よと思たら、やっぱり岸田のイワナか佐々里のあまごかヤマメやろなぁ~・・今年は佐々里がよさそうやでぇ・・昨日もネット見たら平水より+側やったわ・・あそこはこの時期高水温と渇水で厳しいけど、水があったら何とかなるんとちゃうか?・・」
「今日は日曜やし、明日仕事やし・・岸田はシンドイなぁ~・・」
「佐々里にするか?・・こないだ開通した箕面トンネル抜けたら結構早よ着くんちゃう?」
「・・んじゃ佐々里と言うことで・・」
箕面トンネル~摂丹街道~京都縦貫~神楽坂トンネル・・そして佐々里・・9:00過ぎにはスペースウッドさんに到着、お店の前で準備されてたお二方が三叉路から入ると言うことを伺い、今日は美山高校前から上下に分かれることにした。



時計を見ると9:45・・Yちゃんはここから高校裏を釣り上がると言うので、12:00集合として私は桜並木からここまで釣り上がることにした。
ところがタックルをセットして下がり始めると九鬼橋の真下に先行者が居る。
(なんじゃい!・・早速後追いかぃ・・)
スペースウッドさんで今日は店前で準備されてたお二方と我々の4人だけと聞いていたが・・・おそらく、下手の勝山商店さんで券を購入されて入られたんだろう・・まあ、致し方ない。
となると、桜並木では距離がなく、已む無く堰堤と白石橋の中間まで下がってそこから入渓した。
「さぁ~て・・先行者もおったことやし、水量も程々やし、今日はウェットから入ろかぁ・・」・・と久し振りに#10のドロッパーと#12のリードをセットした。
夏草が生い茂る川原で結んだ毛鉤を離すと足元に絡んでしまう為、浅瀬に立ちこみ毛鉤を離してラインを引っ張り出した。
そして本日の一投目と下流に流れたラインを打ち返した途端、何かが引っ掛かっている。
「・・・ん?・・・なんじゃい?・・そうや、忘れとった!・・ここは美山や・・雑魚天国やんけ!」
10センチを少し超えたカワムツがしっかりリードに喰いついている。
ここからの猛襲は半端ではなく、T川のチビどころの騒ぎではない。
当然、カワムツの巣である緩流帯は避けて流芯に近い流れを攻めるが、この日の美山カワムツ艦隊の猛襲は卓越した迎撃力を発揮した。
どこにどう投げようが、サイズを大きくしようが・・送り込んだ毛鉤は全て瞬く間にカワムツの餌食となってしまう。
巷の教本にある雑魚の避け方などは美山で鍛えたフライフィッシャーである私にとって百も承知、実際それ以上にここの雑魚を回避するにはコツがいるが、この日はパワー全開・・留まるところを知らない。
満を持して投じたプロフェッサー&ジョックの毛鉤艦隊が流芯で流下を始めると、対岸の弛みにある要塞からミサイルが発射され流芯に突っ込んでくる・・・いつもなら頑張ってもここで終わるが、この日は流れに突っ込んでからスピードを上げ、旋回を開始する毛鉤艦隊を迎撃・・毛鉤艦隊は本来の任務を果たさぬままカワムツ艦隊迎撃ミサイルに撃喰されてしまう。
毛鉤を大きくしても迎撃ミサイルも大型になり、もはや手立てがない。
「・・ホンマ・・凄いなぁ~・・こりゃ降参や!・・どないしょ?・・こりゃ落ち込みの水流に乗せて白泡の下に沈めてから浮かせてくるしかないなぁ~・・」


美山雑魚天国・対岸の弛みから発射される最強迎撃ミサイル『佐々里ツインズ!』
他人事であれば笑って話のネタで済むが、当事者の私としてはたまったもんではない!
#10と#8の毛鉤でさえ確実に迎撃され、上の様なドロッパーとリードのダブルヒットが頻発・・命中率ほぼ100%の高性能ミサイルに進化していた。
マジでココまで来ると・・どうにもこうにも打つ手立てがない・・・ホンマ・・降参!


しかし、チャラ瀬と浅瀬が広がる川原では白泡を見つけて沈めるのも難しい・・こうなるとカワムツ艦隊に見せる毛鉤と本命を狙う毛鉤を分けるしかない。
ドロッパーのトップに#6シルバードクター・・セカンドに#8リリーメイ、これ等を見せる毛鉤にしてリードに#12本命狙いのシルバーサルタンをセットした。
叩きつける様にキャストするとシルバードクターは水面に張り付き、リリーメイは水面直下に定位、そして目立たぬシルバーサルタンは完全に水中・・・囮の筆頭シルバードクターはミサイルの襲撃を受けるも持ちこたえて流れ、川底で白く輝く物体が大きく輪を描いて動いた途端に根掛りの様な軽い締め込みがロッドから伝わってきた。
HIT!期待を背負ったシルバーサルタンがこの日最初のあまごを射止めた。



やはり、先行者が釣った後なのか魚は流芯の底に張り付いてなかなか水面を割りそうにない。
それに、いくら曇天とは言え、昼に向かう時間帯で出にくいことは尚更である。
「流芯にリードを沈めてそのまま軽くターンかなぁ?」
この流芯にうまく毛鉤を沈める為には上昇流がモコモコとできる脇にある下降流に乗せないとダメだが、流芯側はその溝は薄く緩流側から乗せることになる。
ところがこの緩流側に投じるとミサイルで迎撃されてアウト・・・何とか苦労しながら、もう一匹追加したものの、いい加減嫌になってきた。
「・・うんざりやな・・先行者の後追いやさかい・・ドライじゃなぁ~・・竿抜けに絞ってピンスポットキャストで攻めるか・・さっき橋の上から見たときエルク(ヘアカディス)の様な毛鉤やったな・・ということはこいつ(ライトケイヒル)で行こか・・」
流れの筋辺りのポイントを見切って、岸際のエグレとチャラ瀬で顔を出す石裏に的を絞りピンスポキャスト・・この方法で小ぶりながらどうにか2匹のあまごを上げて午前の部を終えた。



昼食後、休憩していると小雨が降り出した。
「この程度で夕方まで持てよぉ~・・」
「無理ちゃう・・雲行き怪しいし・・」・・とあっけないYちゃんのツッコミ・・
移動しても先行者が居ると見て今度はYちゃんと場所交代、Yちゃんは下流へ、私は美山高校裏から釣り上がって行った。
ここでもカワムツ艦隊のミサイル攻撃は留まる事を知らない。早々にウェットを流すことを諦め、またまたドライでピンスポキャスト・・Yちゃんはエルクを流したと言うことを聞き、午前中と同じくライトケイヒルで釣り上がった。どうにか2匹のあまごが釣れたがサイズが出ない(まあ、狙い所からして当然やろね・・)。



やがて、Yちゃんが午前中に上がったと言う堰堤を越えてチャラ瀬を進んだ辺りから魚の気配を感じて流れの筋を狙う。
雨脚がひとしきり強くなってきた。
やがてもうすぐ三叉路が見える手前の木立の下でヤマメがヒット!・・ここはヤマメが溜まって居た。
おそらく、この日は曇天で日陰と日向が判断できなかったが晴天でも終日に近い状態で日陰のポイントなんだろう・・夏の佐々里の魚溜まりと言えるところかも知れない。
3匹ヤマメをGETして三叉路から道に上がり車に戻った。



もうすぐ17:00・・雨が止んだ。
「ちょっと気圧が上がり始めてんでぇ・・」・・・とYちゃんが言う。
「このまま夕方になったらチャンスかもなぁ~・・・」
夕方はスペースウッドさんの上手に車を止めて釣ることにした。
Yちゃんはこの辺りを釣るとのことで、私は三叉路まで下がって久し振りに葦と萱の佐々里の流れを釣ってみることにした。
三叉路から川原に降りて少なくなったネコ柳の脇を見ると、居る居る!スレッからしが定位している。案の定普通の毛鉤を投じても無視・・・CDCのマイクロスで勝負すると捕れたかもしれないが、そこまで拘るサイズでもない。早々に見切って釣り上がって行った。



結局、最初の堰堤で26センチのあまごを#16クイルゴードンで掛けただけでハリマ屋さんまで来てしまった。
しかし、このあまご・・何度も釣られて口周りは傷だらけ・・魚体は糸ズレの後が重なり鱗も所々で剥がれている。
やはりこんな魚を見ると、本当にC&Rって何なのか?・・・わからなくなってくる。
夕闇迫るころ雨が降り出し、いつもの様にティールブルー&シルバーとグリズリーキングのペアでイブニング・・数匹ヒットさせたが・・何時までもあのボロボロになったあまごが脳裏に焼きつき・・悶々とした想いから逃れることが出来なかった。



「まあ・・これもこの釣りを取り巻く現実のひとつなんやろね・・・」
日々休まることなく降り注ぐ毛鉤の爆撃にさらされるあの魚からすれば、この日のカワムツ艦隊の迎撃ミサイルなど大したことではないかもしれない。
しかし、見方を変えれば・・7月の佐々里川で・・しかもキャンプ場から下流域で・・ボロボロながらも[あまご]が釣れるのはこの佐々里F&L特別区があればこそ、C&Rがあってこそである・・これで魚の状態に拘っても管理される方々にはどうしようもない・・・全ては釣り人である我々の受け入れ方の問題かも知れない。
そう考えれば、この特別区関係各位、皆々様方のご苦労に感謝して釣りをしましょう。・・・と言うことで、最後は妙に納得してこの日の竿を納めた。

しかし、正味の話・・・カワムツ艦隊の迎撃ミサイルは凄い!これを体験することもこの川の見どころだと思います。(笑)
但し、5分は持ちますがそれ以上はだんだん腹が立ってきて、煮えくり返って最後には呆れて何も言えなくなるかもしれません。
他人事と笑ってないで、一度体験されることをお勧め致します。我が身に降りかかれば、とてもその場では笑えませんでした。


道具:8フィート6インチ(DT-4-F)・8フィート0インチ(DT-3-F)
毛鉤:DRY(ライトケイヒル#14・クイルゴードン#16):WET(シルバーサルタン#12、後はカワムツの餌食)

posted by bacoon at 23:30| Comment(3) | TrackBack(0) | 京北に行く |

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