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2007年釣行レポート一覧  注)以下は併設するブログ「毛鉤を巻いて川に行く(釣行編」に掲載していた記事です。 釣行レポート(8月4日)

2007年08月04日
想いを馳せた渓

■足羽川上流域
■2007-8-4(土)
■イワナ 5匹
■同行者なし
仲間と二人で岸田川上流に行くハズが急遽単独釣行・・・お決まりの様にT川を目指すもイメージしていた『夏・小渓・イワナ・ショートロッド・・』が抜け切れず思いつくまま車を走らせ足羽川上流まで足を伸ばした。
しかし、お目当てのイワナはご機嫌斜め・・昼過ぎの局地的雷雨で濁りが入り、止む無く断念せざるを得ない状況に、その昔に『想いを馳せた渓』を見に行った。



Y「夏やでぇ~・・イワナちゃんの顔でも拝みに・・岸田か?」
私「台風は?・・まだアカンやろぉ・・」
Y「行った行った・・行ってもぉ~たって・・ほれ・・明日は台風一過・・」
私「よっしゃ・・ほな、6時半に迎えに行くわ・・」
翌朝6時に家を出る・・すると大通りに出る手前で携帯がなった。
・・?・・Yちゃん・・?・・「ハイ・・」
Y「熱ありますぅ~~38度・・今日はシンドくて行けませぇ~ん・・アカンわぁ・・」
私「わかった・・OK・・OK・・ハイハイ・・御大事に・・」
(俺の風邪・・移ったんかぁ・・まあ、しゃぁ~ないなぁ・・)・・何も考えずにそのまま車を走らせるものの中央環状の信号でハッとした。
「そうや・・何処に行こか?岸田かぁ?・・どっちや?左(但馬方面)?・・右(京滋方面)?・・どっちや?どっちや?」・・などとブツクサ言ってるが、右手は勝手にウインカーを右に切って右折車線に入っている。
「やっぱりひとりやったらT川かぃ・・」・・何時もの様に名神・湖西とひた走り、昼飯買いにいつものコンビニに車を停めた。
「今日は久しぶりに岸田の右の渓に入るつもりやったさかぃ・・T川のあまごとなると・・・ごっついイメージちゃうやんけ・・ところでこの辺・・」・・とライトマップルを手に取った。
私の車にはカーナビがない・・・特に必要を感じずに今まで来ている・・(まぁ~次の車に買い換えるときやね)・・と思って居たが、最近あちこち知らない道が出来ており、無駄にはならんとお握りと一緒にライトマップル関西道路地図をレジに差し出し購入・・車に乗り込み地図を見た。
「今ココやろぉ~・・あっ・・黒河川があるやんごっつい久しぶりやんけ・・へぇ~今庄って・・結構近いやん・・待てよ・・と言うことは足羽わぃ?・・行けるんちゃうかぁ~・・今何時やぁ・・」・・時計を見ると丁度8:00になった所だった。
「どうなんやろぉ・・いや・・でも・・何ぼ何でも・・10:00にはあそこで竿だせるハズやでぇ~・・よっしゃ・・試しに行ってみよかぁ・・」・・・と急遽目的地変更・・何時もの右折を直進した。
足羽川・・20年以上も前に私を狂わせた大イワナ・・その想いを抱き・・再びと5年前とその翌年それぞれGWに訪れたが昔の面影は微塵もなかった。しかし、まさか単独釣行の日帰りで行くとは思いもよらず・・まあ、夏の足羽も二十数年ぶりで、今の夏の状況を知っておくのも損は無いと敦賀をパスしてひた走る・・想像した通り、もう直ぐ9:30と言うところで目指す在所に到着した。
程なく懐かしい『月ヶ瀬』を超えて、お目当ての渓へと入っていく・・途中ひとりの先行者に逢うが、どうか?と聞くと「橋まで行ってない・・小物しか出ないので下手にさがる・・」・・との事、んじゃぁ~・・と上手に上がり橋の袂に車を停めた。
「ここ?・・確か4年前にここから堰堤まで爆釣した所やんけ・・夏は釣りになるんか?」・・と橋の上から見下ろすと、ショートロッドなら全く大丈夫な渓相に俄然やる気が出てきた。
しかし、湿度が異様に高く、霧の中に居る様に視界が悪く・・立っているだけで衣服がしっとり濡れてくる。
時刻は10::00・・・これも魚が居れば気にならないハズと大きく深呼吸してアントパラシュートを投じた。



「うぅぇ~・・喰・わ・な・か・っ・た・ねぇ~・・カァ~・・」
いきなり25センチアップが浮上し毛鉤を追うが今一歩でブレーキが掛かり帰って行った。
「なんでや?・・畜生ぉ~・・」・・気を取り直して先に進む・・(パシッ!)・・弾ける様に毛鉤が消しこまれ15センチに満たない魚がヒット・・チビイワナかと思いきや泥バエ(アブラハヤ)だった。この足羽の泥バエは他の河川と違って少々サイズも大きく、ウグイの様に流芯からも弾ける様なアタックをしてくる泥バエの王族が生息しており、ココだけは二十数年を経ても全く変わっていない。
「うぇ~泥バエ・・そうや足羽や・・美山カワムツに足羽の泥バエやんけ・・」・・泥バエ(美山カワムツの様に写真を撮る気にはなれませんでした)を避ける為に毛鉤を#12のシェルバックビートルに交換した。
しかし、(パシッ!)と来て泥バエ・・・「・・・・(閉口)」・・・#12番にしても効果なく泥バエの猛攻は続いた。
「ドォァ~ホ!・・流芯の泡の切れ目で出んな!・・ソコはお前らの出るとことちゃうやろ!・・」・・とボヤいても効果なし、しっかり泥バエは喰い付いてくる。
「・・ッツァッ!・・しゃぁ~ない・・ソコなら許したろ・・・??・・・なんや?・・イワナちゃうか?・・」・・・やはり同じサイズでも引きは強い・・本日一匹目の小ぶりのイワナが釣れた。・・毛鉤を#14ゴダードカディスに変えると、立て続けにもう一匹釣れた。・・しかし、サイズが出ない。



「最初のあの一匹は何やってん?・・」・・・泥バエの猛攻にうんざりするも、泥バエ如きに一等地を追いやられた小ぶりのイワナ・・やはりしっくり行かない。
その後も泥バエの猛襲は留まる所を知らない。
「狙いどころが悪いんか?」・・試しに、脇も脇の弛みも弛みと言う他の河川の泥バエの巣の様な所に投げて見る・・すると、動きの遅い老いボレ泥バエが出てきた。
カーブを曲がり程なく行くと、[ココに居ます!]と言う案内板が立って居る様なポイント・・・

「ココはおるやろぉ~」・・と満を持して毛鉤を投げるが、鏡・白泡の切れ目・岩盤の筋・・3匹の泥バエが出てきた・・大きな溜息が漏れて更に釣り上がり始めるが・・(やっぱり、アソコは居るやろぉ~)と足が止まった。
(・・見切りが早いんか?・・泥バエにペース乱されて・・)・・と言う思いが湧いて、しゃがみ込んでお茶を飲み、休憩しながら片手で毛鉤をキャスト・・程なく煙草に火をつけて一服しながらもキャスト・・(・・これだけ叩いてもアカンならしゃぁ~ない・・)・・と立ち上がって最後の10投げと決めたとき・・・白泡の下から潜水艦浮上し、毛鉤に近づくもUターン・・しかもかなりデカイ!!
「ッんぅ~・・・喰・え・よぉ~・・・やっぱり居るやんけ!!・・あれ、でぇかいぞぉ~・・尺あるか無いかやろぉ・・・」・・2回も良型に嫌われて後がない・・この魚に勝負をかけることにした。毛鉤はシルバーサルタン#10・・白泡直下逆引き一発勝負・・・一投目に白泡の切れ目で大きく出たが喰い損じたのか空振りを喰らった。
「ッツァッ!・・危なぁ~・・大丈夫やまだ毛鉤に触れとらへん・・」・・・二投目・・白泡に投じて毛鉤を停めた途端・・「ゴン!・・ググゥーン・・」と大きなショックが伝わり軽くなった。・・何事もなかった様にシルバーサルタンは手元に戻って来た。
「・・・・・」
大きな溜息が出てシルバーサルタンをカットし#14ゴダードカディスを結ぶ・・・この場を諦め釣り上がることにした。
程なく行くと、区間終点の堰堤が見えてきた。



「堰堤まではサイズは望めんかなぁ~・・・ハァ~・・ァ・・」・・・と石の裏にプレゼン・・あっさり小ぶりが出てきた・・本日3匹目・・



そして堰堤に到着・・・

・・・ひとしきりやったが不発・・ココで午前の部は終了・・・車に戻ると12:30だった。


午後からは下手にある堰堤より少し下って釣り上がって見ることにした。
ココまで下るとロッドも7フィート以上でも問題なく、ドライアクションでシャキシャキとテンポ良く釣り上がれる。



「ッんぅ~・・・な・ん・でぇ~・?・?・・・ち・く・しょぉ~・・」・・この日は泥バエがテンポ良く出て、小ぶりが遅れてアタックしてくるが、良型は水面を割らない。
気を取り直して釣り上がるが、橋の真下でまたもや良型が顔を出すも喰わない。
その内どこかで・・・と橋をくぐって釣り上がる。
もう直ぐ落ち込みが点在する絶好のポイントを迎える手前で午前と同じく小ぶりのイワナがシェルバックビートルを銜えた。
「やっぱりこのサイズか・・・」・・・相変わらずのサイズである。
ポツリ・・(・・雨かぁ?・・)・・ポツリ・・・・
バックポケットからレインギアを出す所で大粒の雨が強雨となって降りかかって来た。
ザァー・・静寂の渓に雨音が響き渡り、一瞬にして帽子から雫が止め処なく落ちる。
「アカン・・こりゃ雨宿りや・・さっきの橋まで戻ろ・・」・・・30メートルぐらい下って橋の下で雨宿り・・雨脚は更に強くなってきた。
「まあ・・通り雨やろ・・」・・閃光が走り、遅れて雷鳴が轟く・・・強雨は益々強くなりバケツをひっくり返した様な状況になってきた。
「こりゃすごい雨やな・・動いたら一瞬でドボドボやな・・」・・橋があってよかったと座り込んでお茶を飲む・・5分程たったが状況は変わらない。
「・?・・あの岩沈んだな!こりゃヤバイぞぉ~!・・ココに居ったらアカン!・・」・・車は丁度この橋の上手に停めてあるが、川から上がるにはこの橋からひとカーブ下手の杉林まで下がらないと行けない・・こうなるとドボドボになることを拒んでなんて居られずこの辺りから上がれるところを一通り見渡してダメと見たらさっさと下る決断をしなければならない・・見ると今まで見つめていた対岸の大岩も少し上流側から高く巻けば川に降りることは無理でも何とか上がれそうである・・土砂降りの中、ロッドのリールの部分を何とか橋の欄干に掛け、増水した川を渡りドボドボになりながら目測したコースを無理からに伝って林道に上がった。
セメントを敷いた林道もチャラ瀬の様な流れになっている・・・橋に戻って欄干に掛けたロッドを拾い上げ・・漸く車にたどり着いた。
「あぁ~・・・危なかった・・しかし・・ドボドボやんけぇ~・・台風一過とちゃうんか・・Yちゃん・・あれって岸田の話かぁ~・・」・・頭と顔を拭き終ったところでピタッと雨が止み薄日が差してきた。
「ええ加減にせぇ~よ・・ホンマ・・」・・橋の下でヤバイとい思ってから5分も経過してない・・・あっけなく雨が止んだ。
しかし、着替えて川を見ると・・・・

・・・たった10分の豪雨が見違える様に渓を変えてしまった。
まあ、これもこの釣りに付き物である。
私の場合、今日の様な状況では雨宿りを始めた時に(あの岩が沈んだら川から上がる)と決めている。
そもそも川の中で、橋や木の下での雨宿りも15分~20分が限界と思われ、たったその間に急激に水位が上がる場合はマゴマゴしてないで素早く川から上がり、車ごと安全な場所に移動させた方がよい・・安直な楽観視や無理は禁物である。

・・で、後ろ髪を引かれる思いでこの渓を諦め、本流に戻る・・・

・・・夕刻前から納竿まではこの本流上流部で釣ろうと決めていたが・・これでは話にならない。
時刻は14:00を少し回った所だった。
「こりゃアカンなぁ・・そう言えば昔から雨降ったらよぉ~濁ったなぁ~この川・・そうや・・魚見・・あそこだけは何でか何時も濁らんかったなぁ・・ダメもとで行って見よか・・」
二十数年前は釣行の度にその日の河川工事との戦いだった・・・あちこちで護岸工事がなされ、この魚見川にも下手から護岸工事が日毎に押し迫ってきていた。
足羽川支流魚見川・・・・少し下流の部子川の様に釣り人に人気がある流れでもなく、細く単調で味気ない流れで当時から釣り人も少なかった。しかし、その為か細い小さな流れにも係わらず、びっくりする様な尺を上回るサイズが出るので毎回ちょっとだけ竿を出していた。5年前に様子を見に行った時は護岸工事が行き届いた下流域を見て上流を見るのが忍びなく、断念した川でもある。
記憶の片隅にある道筋を辿って目指すポイントに着いた。

「・・・・・・・(・・やっぱり来ぇ~へんかったら良かった・・)」
その昔・・ワクワクしながら毛鉤を投じた低い段々堰堤は残っているものの、両岸は護岸され、川底には所々にブロックが敷き詰めてある。
(どうすんねん?・・こんな用水路で釣りするアホおらんぞ・・)・・確かに、もはや絶対に魚はいないだろう・・釣り人からも忘れ去られ、誰も竿を振らなくなった流れ・・・しかし、私がその昔『想いを馳せた渓』であった事には違いない。
(・・その昔、育ててもぉ~た流れやろ・・林の入口まで100メートルも無いやんけ・・儀式やと思って振ったれや・・)・・と言う想いが湧き、護岸から川原に飛び降りた。
・・・当然、反応などある訳がない・・それでも昔を思い出しながら毛鉤を流していく・・・
「・・ここ懐かしいなぁ~・・確かあのデカイのがブラウンパラシュートに出た所やんけ・・」・・・と、ど真中にゴダードカディスをキャスト・・・一服休憩に煙草が欲しくなった途端・・
(グネッ!)・・「?ウソォ~?・・・・出たやん・・・」・・・流れは変わり果てても・・イワナはちゃんと迎えてくれた。


20センチにどうにか届く程度であるが・・サイズがどうのこうのではない・・こんな用水路になっても、頑張って息衝いている。
何時もとは違う感情が湧き、尺物を上げたときよりもシゲシゲと魚に見とれていた。
「元気でな・・・」・・とイワナを流れに戻し、見えなくなるまで見送った。

もう、今日はいい・・充分・・日帰りでも何とか来れて釣りになることがわかったし・・・「また、来るわぁ・・」・・と足羽の流れを後にした。


17:00・・・
T川の堰堤上流の瀬に佇む・・・・(まっすぐ帰れよ・・寄り道せんと
「まあエエがな・・」・・・
やっぱり釣りができる時に釣って置きたいと言う貧乏根性丸出し!
結果は・・・
エルクヘアカディスを投げても・・

クイルボディーパラシュートを投げても・・・

私にとってはいつものサイズが相手をしてくれただけでした。
(だから・・まっすぐ帰れって言うたやろ!!)
「まあエエがな・・これも釣りやて・・」


道具:6フィート6インチ(DT-3-F)・7フィート9インチ(DT-3-F)
毛鉤:DRY(シェルバックビートル#12・ゴダードカディス#14):WET(シルバーサルタン#10)
おまけのT川は8フィート3インチ(DT-2-F)でEHC#16&QBP#16・・

posted by bacoon at 23:37| Comment(4) | TrackBack(0) | 嶺北に行く |

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