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 釣り・・そしてフライフィッシングとの出逢い 
私にとって、フライフィッシングとは何なのか?今では趣味として楽しんでいる「釣り」の全てであると言って過言ではない。
ここに至った経緯を示すと以下のものとなる。

社会人になっても続けて行ける「趣味」として釣りを選択
 小学生の頃、親父に連れて行かれたマブナ釣りが「釣り」との出逢いであった。
 その後十代は釣りとは無縁の生活を送っていたが、社会人と言う立場が見え隠れし始めた頃・・・
 「休日の都合で仲間が集まらなくとも、最悪一人で楽しめる趣味」・・・として釣りを再開した。
 最初は手当たりしだいに色々な釣りに手を出したが、一通りやってみて自分の性格に一番合致する「投げ釣り」を選択し、本格的な趣味として嗜む様になった。
 ところが困ったことにこの「投げ釣り(キス釣り)」は社会に出てまとまった休みとして得られるであろう5月のGWが振るわず、更に生き餌を扱う事に若干不満を覚えていた。

ルアーと言う疑似餌釣りとの出逢い
 そんなときに・・・
 「ゴールデンウィーク・・・御母衣と九頭竜(ダム)にルアー釣り行く奴おらん?・・俺一人やねん・・」と知り合いの一人が呟き、即刻ウルトラライトとミディアムライトのタックルを買いこんで便乗させてもらうことにした・・・この誘いがなければ、間違いなく今の私はなかっただろう。
 これを機にルアーを覚え、当時東播の野池で釣れ始めたバスやニジマス管理釣り場、河口のシーバス、ダム湖の鱒類を狙う様になり、社会人になってもバスと管釣りで日々を遊び、まとまった休みが取れればとにかく「御母衣と九頭竜(ダム)」を目指した。
 しかし、ダム湖の鱒類は惨敗で、どんどん渓流に分け入って行くものの、手堅く釣れるバスと鱒の管釣りに傾向して行く・・・特に好んだのがトップウォーターの釣りで、とにかく魚が喰らいつく姿を見るのが刺激的だった。
 ところが、これまた不思議なことに・・・魚で一番好きなのは鱒類、フィールドで一番好きなのが渓流・・・この相反する状況に悶々としていたのが事実だった。

敷居が高いフライの世界
 「自分・・ドライフライやったらエエねん。試しに管釣りのモンタナ・ニンフからでもやってみぃ?・・最初はシンドイけど何時かはドライで渓流のあまごやイワナが釣れると思うでぇ~」・・・と当時通っていた釣具屋のマスターにそそのかされた。
 当時ルアーの情報を求めると、もれなくフライの情報もおまけで付いてくると言う感じで、少しはフライに関する書物を読んでは居たものの、当時の「書き物」では相当に敷居が高く、金持ち道楽の釣りとしか捉えていなかったのも事実である。
 直後に半信半疑でセット物のフライ道具を購入したが、管理釣り場では釣れたものの、渓流では確信を得るには至らず、スピナーを投げる方が明らかにマシだった。

一冊の本に勇気づけられ、漸く本格始動・・
 しかし、なんとかフライをモノにしたい!と言う気持ちが後押しした為か、渓流と言うフィールドに出向くことが多くなってきた。
 そんな中・・忘れもしない一冊の本『魚が勝手に食いつく本(祥伝社1983):著・今井健二氏』にあっさりと勇気付けられ・・1983年夏、本格的に道具一式を買い揃え、この釣りを始める様になった。私が23歳の時である。
 そして単独で試行錯誤を重ねた挙句、ついにドライフライで魚を釣ってフライフィッシング熱中症候群を発症してしまい、四半世紀を経過した今も症状は治まっていない。

趣味としては最高の出逢い
 この釣りに夢中な方々は、概ね以下のパターンに当てはまると思われる。
       A:アウトドアの一環としてこの釣りを嗜む様になった。
       B:ルアーと並行(から転向)してこの釣りを嗜む様になった。
       C:渓流釣りの釣法としてこの釣りを嗜む様になった。
 私の場合は間違いなくBであろう・・・
 ルアーフィッシングと言う通過点がなければ、フライフィッシングとの出逢いはなかったと考える。
 しかし、最近自分でもわからなくなってきた。
 鳥打帽をかぶりネクタイにフィッシングジャケットを着込んで英国流のイデタチで川に行きたいとはこれっぽちも思わない。
 ところが菅笠をかぶって半被にタイツと藁草履で萱葺きの家並が見える里川をテンカラで釣ってみたいと言う憧れがある。
 ロクすっぽテンカラなんかやったこともないのに甚だ不思議に思うが、こればっかりは自分でも説明がつかない衝動である。
 もし、何某かの理由でフライができなくなったら、ルアーには戻らないだろう・・・きっとテンカラを始めると思われる。
 やはり、拘っていた訳ではないが、川や渓や、はたまた沢など流水の釣りを好み、山渓や里川に身を置きたいと言う自分がいる。
 但し、これもちょっとした浮気心の様なもので今更本格的に他の釣りに転向するとは考えにくい。
 今現在、釣り=フライフィッシングであり、それ以外の釣りは道具さえも持ち合わせなくなってしまった。
 そう言う状況からすると、やはり渓流釣り師である前にフライフィッシャーである・・・と言うことになると思っている。
 察するに加齢に伴い、いつかは渓流を彷徨うことができなくなる日も予想される。
 「釣りは鮒(マブナ)にはじまり鮒(ヘラブナ)に終わる」・・・よく耳にする言葉であるが、私の場合は・・・
 「釣りは鮒(マブナ)にはじまり(渓流に出向けなくなって、釣り堀の)虹鱒に終わる」・・と言うことになろうかと思われる。
 その最後となる釣り堀の虹鱒は、やはりフライフィッシングで釣っていたい。
 そう言う想いが涌くところからして・・趣味としては最高の出逢いであり、私の「釣り」の最終到達点だと思っている。

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