あらためて手に取ると余りの白さにドン引きしてしまいそうだが、入門当初キャスティングが今以上にままならず、投げてから毛鉤の所在を確かめていた私としては非常に救われた毛鉤だった。
ロイヤル・コーチマンの白いウイングを頼みの綱にキャストする・・・そんな状況の中、漂白剤で脱色した様な真っ白のこの毛鉤はどこに投げても見失うことはなかった(当たり前じゃ!)。
結局、直後にライト・ケイヒルの存在を知って、すぐさまバトンを渡した後は殆ど使用されずに今日を迎えている。
どちらかと言えば、自分で巻いたものよりも完成品で購入したものを使用した数が多い・・・しかし、渓流デビュー時の心強い相棒であったことは疑う余地がなく、絶対に忘れられない毛鉤である。流れに投じた姿を思い起こせばウェディングドレスを着たまま野良仕事をする様な強烈な違和感が漂っていた様な気がするが、当時はそれすら感じ取れないぐらい必死だった。
今ではあまり聞き慣れなくなったが、ファンシー・フライ・・と言う言葉を耳にすると、必ずコイツが思い出される。 |