これを読まれた方が実際ここの流れを見たら十中八九ロッドを振らずに場所替えされるであろう。他の河川であれば間違いなく私も同じ行動をとる。
昔この流域に通い始めた頃、雪代や増水の泥水で釣りにならなかった時、不思議とこの「魚見川」だけは濁りが入らなかった。
あるときダメ元で入って見ると、本流に流れ込むあたりから暫くは当時河川工事が行われており釣りどころではなかったが、上流の「辻」集落あたりまで上がるとそれなりにイワナやヤマメが釣れた。
その後、更に上がって「金山」集落まで上がると極細い流れになるが釣り人が皆無だったのか、似つかわしくないサイズのイワナにド肝を抜かれた事で想い入れが強くなった流れである。
夏ともなればとても竿を出せたものではない。「金山」集落の上手で田圃の脇を流れる小渓となりその先は林の中を流れ堰堤がある。この堰堤で私がたばこを吹かしている間に尺切れ2連発を見せつけられた事はしっかり脳裏に焼き付いている。
しかし、この堰堤から上流はとてもフライで釣れたものではない。更にこの田圃の脇の小さな流れでド肝を抜く様なサイズが行く度に出て、この流域に出かけると「挨拶行く?(=魚見に行く?)」と言う暗黙の言葉ができたぐらいである。
まあ、1時間も持たない様な小さなポイントであったが、バラシたものの一瞬ライ魚と見間違う様な魚も出た流れである。
今となっては河川工事も上流まで延びて、田圃の脇の小渓も用水路になってしまった。
しかし、イワナが未だに息衝いていることは確認できたので、この流域に来て川が濁った時の保険程度に考えとけばよいかもしれない。
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