ここをご存じの方は「なんでこのサイトで紹介されるのか?」と首を傾げ、ご存じでない方は「何処ココ?」と首を傾げられるかもしれない。
ネットで情報が溢れる昨今、ここを目指すフライフィッシャーの情報は殆どお見受けしない。そのくらいココはフライに向かない管理釣り場なのかもしれない。しかし、実際、歴史は古くかなり昔からある鱒釣り場で町全体が釣り場の様な雰囲気だった。
初めてフライの道具を持ち、北田原鱒釣り場でどうにか釣って、渓流シーズンを迎えて美山の雑魚と岸田の放流魚で特訓したが、渓流では貧果に喘いで悶々として9月を終える。この鬱憤を北田原で晴らそうと目論むも11月まで待たねばならない。
そこで待ち切れず10月に出かけたのがこの十戸国際虹鱒釣場である。当時は今ほどルアーやフライで釣ることを許される鱒釣り場がなく、北田原の常連に聞くと「戸谷(朽木渓魚センター)か十戸」と言う答えが殆どで、「ここしかなかった」・・・と言うのが本当のところである。
10月第1週と第3週の週末に出かけたことを覚えている。ルアーを止めてフライに専念してみようと意気込んだが、結果は両方とも当たりも掠りもしない惨敗だった。
結果的にここまで大惨敗の『ボ』を喰らって未だにリベンジを果たしていないのはこの釣り場だけである。
その頃の私の毛鉤と言えば、完成購入品混じりの貧相なものでライブラリも乏しく、今から思えば当然の結果(実際、この時の毛鉤で今の北田原や他の釣り場に出向いてもかなり厳しいが、二日間でサッパリと言うことはないだろう。)ではあるが・・・アベックと親子連れが歓喜しながら竿を曲げる脇で階段状の護岸に座って呆然と途方に暮れ、上流の滝壺で時々激しいライズをするも私の投じた毛鉤には見向きもせずに悠々と泳ぐ虹鱒の群れに為す術もなく・・・この時だけは本当にこの釣りは生半可ではやって行けないと痛感し、持って行きどころのない蟠りの全てを手持ちの毛鉤が悪いと言う理由(言い訳)に決め込んだ。
とにかく毛鉤の種類に拘るフライフィッシャーは初陣直後にこの様な手痛い仕打ちに遭っていると察する。
私もこの屈辱が魚と向き合う引き金になったと思っている。
・・・で今、リベンジに出向くか?と問われれば・・申し訳ないが行かない。
しかし、私も何時か加齢に負けて渓を釣ることができなくなる日が必ずやってくる。その時、ここにリベンジに行きたい。半世紀(約50年)ぶりのリベンジとなるか否か・・それまでここは最古参と呼ばれる鱒釣り場であり続けてほしいと願っている。
但し、餌釣りで家族で楽しむのはとても良い釣り場だと思う・・・元来、その様なお客さんを大切にしてこられた釣り場なんだろう。
・・・しかし、「何時しか!・・」とリベンジを考えている事は紛れもない事実で、その想いがこの釣り場を忘れさせないでいる。 |