9号線を直走り、目指す岸田川流域の湯村温泉に抜ける『春来トンネル』が見えるといよいよ到着も近いと気分も高揚してくる。
そのトンネルの手前に道と川が並行するところがあり、何時も水量を気にして脇見をしながら走っていた。
矢田川・・・岸田川と同じ扇ノ山と鉢伏山を水源に持つこの流域は当時『美方町』と呼ばれ、それなりに魅力的に見えてこの流域を詰めたところにある小代渓谷も何度かロッドを振ったことがある。
しかし、期待に反して釣果は今一つだった。この流域で忘れることができないのは80年代末のある年、GW明け~梅雨入り前まで、秋岡下流周辺の流れで良型のあまごとヤマメがそこそこ釣れたのが印象深い。
階段状の低い堰堤が記憶にあり、その周辺で『モコッ!』と出て喰い損じも少なく、渓流釣りの心地よい[緊張と解放]が味わえた。
しかし、勇んで出向いた翌年は雑魚ばっかりで大きく落胆したのも記憶に根強く残っている。
あの時がたまたま良かっただけなのか、それともその翌年が極めて悪かっただけなのか・・・今となっては推して計ることもできないが、渓流釣りはそもそもこの様な事が付き物だとわかった頃には既に眼中にない流れとなっていた。
出来ればもう一度あの『モコッ!』と出るヤマメを掛けたいが、今はどうなんやろ?・・・既に昔の話となってしまったのかもしれない。 |