丹比から扇ノ山方面に向かいうと渓沿いの道となり、私都へと道を分ける集落を越えた辺りから妻鹿野までがお気に入りで、淵や堰堤であまごのライズにカリカリさせられた記憶が強く残っている。
特に発電所がある辺り・・・あまごも17センチ前後がアベレージで25センチアップが稀に釣れて舞い上がったこともあった。
但し、盛期も半ばを過ぎると水量が乏しく梅雨の雨上がりが休日と当たるか否かが明暗を分けた。
ここも鳥取に赴任してから妻鹿野にできた「ふる里の森」に子供を連れて通うだけの場所となり、川沿いを走ると散見される釣師が羨ましく思えてならなかった。
・・・今は?・・そんなに甘くはないんやろね。 =================
・・とココまでは、1980年代後期に通い込んだ経験を思い起こして書いたものである。
それから20年の月日が経過し、久方ぶりに訪れて見た所、察した様に今はそんなに甘くはなかった。
・・と言うより、一番大きく落胆させられたのがこの川である。確かに昔から本流合流点から妻鹿野にかけて水量は少なめであったが、発電所に加えて田圃の取水が増えたのか、昔の記憶に残る想い入れの場所は、とても釣りができる水量ではなく、已む無く妻鹿野を過ぎて山渓流になった辺りで竿を出して見た。
この辺り・・渓相は抜群でこの流域ではトップクラスに値するだろう・・加えて複合ハッチが多量に発生し、水生昆虫パラダイスと言った状態で一番掛けの条件を引き当てて渓に降りたがサッパリ・・私だけでなく同時刻に前後に入渓した釣り仲間もサッパリでライズも確認できなかった。
場所が悪いとは思わない・・おそらく早期に釣り荒れたのか、そもそも川自体が昔と大きく変わってしまったのか・・昔から敬遠されがちだった舂米川(上流にスキー場あり)に匹敵する程サッパリで、末期症状にあると感じた。
今後、この流域の他の支流で釣果が得られた時に、もう一度状況を見てみたい。
それでダメなら、その昔、舂米川を見捨てた様に、この川もあっさり外すことになるだろう。しかし、諦めるには惜しい気にさせてくれる渓相である。
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