毛鉤を巻いて川に行く(Top)コラム趣味はフライフィッシング>毛鉤を巻いて・・
<<BACK  趣味はフライフィッシング   NEXT>>

 毛鉤を巻いて・・ 
本当にモノの弾みで『毛鉤を巻いて川に行く』という、誰が見ても分かり易い表題のサイトを立ち上げてしまった。
・・・と言うことで、まずは『毛鉤を巻く』と言う私のフライタイングについて・・

毛鉤はオフに巻き貯める。
 昔は前日に釣行が決定すると慌てて家に帰り、必至で明日の分を巻くと言うスタイルだった。
 こうなると朝駆けの場合は殆ど寝れない。
 加えて玉数を稼ぐ為に煩雑になる。結果的に何時も釣り場では低品質品不足に悩まされ続けた。
 その割には釣行から帰ると、その結果を持って机上の空論を繰り広げ、試行錯誤で奇想天外な毛鉤を巻いて自己満足に浸る能天気で、結局また直前になって定番フライを煩雑に巻く悪循環を繰り返していた。
 しかし、気が付くと机上の空論は使われることもなく、ひたすら定番フライに頼りきっている為、あるシーズンオフに巻き貯めることにした。
 最初は苦痛に感じたが、玉数が揃い、種類も揃ってくると非常に余裕が出来て楽しく、シーズン終了時に消費状況を確認すると自身の釣りに対する変化が見て取れおもしろい。
 難点は使用頻度の低い毛鉤(私の場合ニンフ類)は数年を経ても在庫送りされること、そして常用毛鉤ではどうしても出来損ないが何時までも残ってしまうことである。
 この様な出来損ないは、『喰いが立つ時に在庫一掃クリアランスセールで魚に押し売り!』と言う図式で悪徳商人の様なあさましい釣り師であることは認めざるを得ない。

晩酌がわりのフライタイング
 この様に最近は巻き貯めを実践する様になったが、これにはライブラリ(・・と言うのかどうだか?)が定まっている事が条件となる。
 私の場合、ドライフライ、ミッジ、ニンフのパターンやアトラクターは、ここ10年程ライブラリが変化していない。
 しかし、ウェットフライとなればここ10年程、試行錯誤が続いている。
 この様な試行錯誤で作成するお試し毛鉤は巻き貯め作業とは全く異なる側面を持つ・・・
 仕事から帰宅すると後は夕食と入浴を済ませれば寝るだけの生活だが、この夕食と入浴の間の30分がPCに触れるか毛鉤を巻くかの時間となる。
 この時に巻かれるのが試行錯誤の試作品であり、ここのところは殆どがウェットフライとなっている。
 酒が呑めない私にとっては晩酌がわりの毛鉤巻き・・と言う事になるだろう。

まとめ巻きは効果的?
 常用毛鉤に関してはシーズン中には予想外の使い込みで巻き足すか、新種を試す以外は全く毛鉤を巻かず、シーズンオフに規定数量に巻き貯める様になっているが、この巻き貯めを行うにもちょっとしたコツがいると思っている。
 私としては、バラバラで多種を巻くよりも、「今日はエルクヘアを20個」と決めたら、20個分のマテリアルを準備し、同じ毛鉤を連続生産で仕上げる方法が非常に効率よく、品質も安定すると見ており、加えて一つの素鉤を完成まで巻き上げるやり方よりも、巻き工程を分けて効率的に巻くのが楽で良い。
 例えばクイルボディー・パラシュートならば、以下の手順となる。

工程1: ボディーとなるピーコックアイのクイルを50本程まとめて蝋浸けにし、フリューを剥ぎ取って50本のクイルマテリアルを拵えておく。
工程2: 一本巻くためのマテリアルを揃え、巻き上げて出来映えを確認して問題なければ、それと同じテールとパラシュートポスト、それにハックルを巻き留める段階まで切り出して20~50本分準備し、仕切りがあって型崩れしないトレイなどに小分けにして揃えておく。
工程3: 「今日はQBPを20本」と決めたら小分けにしておいたマテリアルで毛鉤を巻く・・但し、ハックルを巻く前段階でハーフヒッチでスレッドをカットし、ボディーにコーティングを施す。
工程4: ひたすらハックルの巻き留め作業で20個を完成させる。
 これをフリューを剥ぎ取るところから毛鉤を完成させるまでをいっぺんに巻くと、私の場合はとても10回も繰り返す気力が続かない。
 但し、下手糞で日ムラがあって調子が悪い時の生産分は後日ロットアウトに見えてやり直すリスクもあって、一長一短とも考えるが巻き貯めを行う私の場合は、生産効率と品質に少なくとも効果的と考えている。
 ・・・とはいえ、いっぺんに巻かないと上手く行かない毛鉤も有るので全てと言う具合にはいかないのも事実・・
 この辺りは臨機応変に対処している。

<<BACK  趣味はフライフィッシング   NEXT>>


Copyrights© bacoon all rights reserved