まとめ巻きは効果的?
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常用毛鉤に関してはシーズン中には予想外の使い込みで巻き足すか、新種を試す以外は全く毛鉤を巻かず、シーズンオフに規定数量に巻き貯める様になっているが、この巻き貯めを行うにもちょっとしたコツがいると思っている。
私としては、バラバラで多種を巻くよりも、「今日はエルクヘアを20個」と決めたら、20個分のマテリアルを準備し、同じ毛鉤を連続生産で仕上げる方法が非常に効率よく、品質も安定すると見ており、加えて一つの素鉤を完成まで巻き上げるやり方よりも、巻き工程を分けて効率的に巻くのが楽で良い。
例えばクイルボディー・パラシュートならば、以下の手順となる。
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工程1: |
ボディーとなるピーコックアイのクイルを50本程まとめて蝋浸けにし、フリューを剥ぎ取って50本のクイルマテリアルを拵えておく。 |
工程2: |
一本巻くためのマテリアルを揃え、巻き上げて出来映えを確認して問題なければ、それと同じテールとパラシュートポスト、それにハックルを巻き留める段階まで切り出して20~50本分準備し、仕切りがあって型崩れしないトレイなどに小分けにして揃えておく。 |
工程3: |
「今日はQBPを20本」と決めたら小分けにしておいたマテリアルで毛鉤を巻く・・但し、ハックルを巻く前段階でハーフヒッチでスレッドをカットし、ボディーにコーティングを施す。 |
工程4: |
ひたすらハックルの巻き留め作業で20個を完成させる。 |
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これをフリューを剥ぎ取るところから毛鉤を完成させるまでをいっぺんに巻くと、私の場合はとても10回も繰り返す気力が続かない。
但し、下手糞で日ムラがあって調子が悪い時の生産分は後日ロットアウトに見えてやり直すリスクもあって、一長一短とも考えるが巻き貯めを行う私の場合は、生産効率と品質に少なくとも効果的と考えている。
・・・とはいえ、いっぺんに巻かないと上手く行かない毛鉤も有るので全てと言う具合にはいかないのも事実・・
この辺りは臨機応変に対処している。 |