初めて渓流でニンフを意識した時、まずはベースとなる万能毛鉤がほしかった。丁度ドライで言えばパイロットフライの様な性格を持つフライである。
ところが巷の雑誌では特定のカゲロウやトビケラの種名が付加された毛鉤があふれかえっており、非常に戸惑った記憶がある。
その頃雑誌か何かでスキューズとソーヤの特集があり、末尾に紹介されていたのがこの毛鉤だった。
当然、直後に超有名な毛鉤であることが判明したこともあり、試しに巻いて渓に持ち出すと意図も簡単に釣れ、即刻量産化に踏み切った覚えがある。
ところが何時まで経っても「魚を釣った」ではなく、「魚が釣れた」と言う感覚でフラストレーションが拭いされない・・・「流れに投じて1・2・3で空合わせ・・掛るか否かは運しだい」・・・とエエ加減もいい所で目印を付けてアウトリガーをやっても、餌釣りに比べればどう見ても不利に思えてならない。
やはりフライらしく釣りたいが為に、目印を付けずに出来るだけキャストして違和感を感じると空合わせ・・・そんなスタイルで釣っていた。
結局これが今ではウェットフライ(リードフライの当りとり)へと変化して行ったのかもしれないが、一時期・・変なイマージャーで誘うよりもコイツに頼るのが一番と考えていたこともある。
ルースニングにはやはり不向きと思っており、この毛鉤に限らずスリム系全般に言える(モジャモジャ系には敵わない)と考えている。
今では水面に全く興味がない魚のサイトフィッシングに起用されるのみ・・ |