「今時分(秋口)はのぅ・・大けぃ~(大きい)奴がぁ、あっけぇ(赤い)毛鉤をボイ(追い)回しよるけぇ~なぁ~・・」
良く通う渓流の養魚場のご主人が以前からこの様におっしゃるので、ウェットを始めて「真っ赤っか!」をイメージして採用して見た。
結論から言うと渓流では「追い回す」よりも「追い払う」ことが多い様な気がする。
喰いが立つ時には他の毛鉤同様、それなりに釣れてくれるが、普段は「追い払い」の場荒しと言う印象が強い。
しかし、不思議な事に管理釣り場のニジマス等には当ると凄い!・・と言うか当り外れがはっきりする毛鉤であると思っている。
よく行く管理釣り場でブルックとイワナの交配種(ブルックイワナ)が放流されたことがあった。
コイツは流芯を嫌って対岸のチャラ瀬の物影でじっとしている事が多く、どの様な毛鉤を目前に投じても見向きもしなかった。
ところがこの毛鉤をリードフライにしてチャラ瀬に投じてドロッパーをやや上手の流芯に落とすと、暫くは「のほほん」とチャラ瀬に漂っているが、流芯を流れるドロッパーが追い越すと急激に流芯に引かれる様になる。
このトリッキーな動きにブルックイワナが次々と反応して喰らい付いたことがあった。
試しにマーチブラウンや他の毛鉤をリードに結んでもサッパリで、この「真っ赤っか!」だけが成せた業ではないかと察する。
しかし、件の養魚場周辺では未だに「追い払う」ことが多く、ココだけは何ともスッキリしない。
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