私がこの釣りに手を染めた直後、ニンフが流行し始めたのではなかろうか?しかし、その頃はどれが流行でどれがスタンダードなのかも解らず、全て同レベルの情報として取り込んでいた。
当然、ニンフに関する情報量は今以上で『ドライだけで渓流に出ても条件が成立しないと釣りにならない』とか『ロングロッドを用いないとニンフフィッシングが成立しない』等々・・これらの講釈が最もらしく巷を賑わせていた。
今現在、それらに反論するつもりも無く、妥当な講釈であるとは思うが、それが全てであるとは考えていない。
しかし、当時はそれが渓流でフライをやる場合の必須条件と捉えるしか選択肢が無い様な状況であった。
このロッドはその様な時代背景の切迫感により手元に確保したロッドである。だが、目的のニンフを差し置いてダッピングのやり易さに開眼し、ドライフライを結んで『垂らし釣り』を多発させる様になってしまった。これがその後に大きな影を落とし、キャスティングが全く出鱈目なフライフィッシャーとなって現在に至っている。
結局、気が付いた頃には手遅れだったと言えよう・・この時に使用していたロッドはハッチバック車に積み込んで扉を閉めた時に長すぎて納まらず見事に挟み込んで大破してしまい、それを機会にニンフはルースニングでやると決め、「二度と使用すまい!」と決心した。・・・ハズだった。
ところがウェットフライに手を出すと、必然的に長めのロッドがほしくなってくる。するとゴルフ道具の中古店の傍らに釣具中古品が置いてあり、そこでたまたま見つけて性懲りも無く再購入・・・しかし、予想に反して扱い辛いものであった。やはりキャスティングが伴うと手首が持たず、棒の様でメンディングも上手く行かなかった。
それでもグリップを変更して使おうとも考えたが、結局ウェットフライ専用ロッドを購入してお蔵入りのロッドとなっている。何より10フィートで2ピースである・・・明らかに過去の栄光を象徴するロッドかもしれない。
但し、そうは言ってもufmウエダさんのスーパーパルサーなので作りはかなりしっかりしている。 |