アダムスを何とかパイロットフライに使用したいと試行錯誤を繰り返していた頃、当時の釣り仲間であるGさんが梅田にある釣具屋で完成品フライをどっさり買い込んできた。
その中にたまたま見つけたのがこの毛鉤である。
「変わったアダムスやろぉ?」と得意げに見せびらかされて躍起になって巻いてみた。
しかし、何とか使用できるレベルには至ったものの、完成品にはとても到達できずに何時までも覚束無い状況が続いた。
確かに、スタンダードのアダムスに比べるとボリューム感があって視認性は向上した。魚も釣れない事はなかったが、やはり本家アダムスには劣る様な気がしてならなかった。
結局、ある程度巻き上げることが出来る様になる頃には躍起になった熱も冷め、特筆する様な成果を出すこともなく好んで使用することはなくなった。
一時期、この毛鉤が気に入って買い占める様にフライボックスに詰め込んで来たGさんも、今は帰らぬ人となり・・・この毛鉤も彼を思い出すだけの記念品となっている。 |