《ワーム使用禁止!》・・昨今、どこの管理釣り場でも目にする立札や鑑札に記された文言であるが、私が通い始めた頃は特にこの様な規制はなかった。
今では釣り場の水質保護と言う観点で捉えられているかもしれないが、この辺りの経緯を見てきた私としては、この水質保護だけではないと考えている。
やはり、このワームを使用すると大爆釣を引き起こして周囲の連中が使用するフライやルアーとは大きな格差がでてしまう。
するとルアー&フライエリアに隣接する【魚が欲しくてたまらない】餌釣りエリアの一部のお客がこの状況を見逃す訳がない・・
俄かに情報を仕入れ、ルアーロッドを片手に大挙して押し寄せてきた。
こうなると釣り場を管理する側は元来残るハズの魚がごっそり抜かれて困窮されたのであろう・・翌シーズンに《ワーム使用禁止!》の立札が立てられた。
ところが、ルアー&フライエリアで腹を空かした鱒を抜くことに味をしめた連中は、即刻対抗策を打ち立ててきた。
それは小さなトップウォータープラグを駆使する釣り・・・これまた大爆釣!
しかし、釣れ方がおかしい・・良く観察すると、プラグのトリプルフックにハリスが結ばれ、その先に素針があり・・そこに餌が刺せる様になっている。
ここに餌として刺されたのが生餌のメダカだった。察するにまともにイクラやブドウ虫を刺すとバレバレの仕掛けになると考えた苦策であったと思われる。
ところが予想外にこのメダカが大当たりすることに確信を得たのか、この忌々しい無法釣り連中が餌釣りエリアに堂々と戻り始めた。
そして餌釣りエリアは生餌メダカがしこたま入った【ポンプ付きのエビぶく】を従えた客で溢れかえる状況となった。
当然翌年・・・《生餌メダカ使用禁止!》の立札が追加された。
この釣り場の変化を見てきた私も、内心生餌のメダカで爆釣する連中に苛立ちを覚えたのは事実である。
これに対抗する様に小規模の河川管釣りでは用いることが難しかった各ストリーマー類の小型化に試行錯誤を繰り返した。
そして何度かの失敗を経て、質感的に秀でると感じたマラブーに目玉に見立てたチェーンボールを取り付けることで、一応納得できるレベルに至ったのが・・・釣行記にチェーンボール・メダカ・ストリーマーとか、単にメダカ・ストリーマーと称しているこの毛鉤である。
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