概ねウェットフライはドライと比較すれば艶やかな装飾が施され、出番を迎えてティペットに結ぶと出陣前の様相は概ね「陽気」か「呑気」か「殺気」が漂う気もするが、コイツだけは可哀想なぐらい地味な装飾で、この辺りがコンプレックスとなるのか、どことなく自信なさそうな「陰気」が漂う毛鉤である。
そこを我慢して投じると、それなりに魚を掛けて手元に戻ってくるが、その様相もこれまたパッとしない。
他の毛鉤はどことなくサッパリした雰囲気で魚を掛けて手元に運んでくる様に感じるが、コイツだけは、水中で魚達から恐喝袋叩きにあってボコボコにされ、泣きべそかいて戻ってくると言う雰囲気である。
しかしながら、その辺りを無視して聞き入れず、見方を変えて用いると、かなりの力量を秘めた毛鉤である。
特にナチュラル・ドリフトに徹するとかなり効果的で、確かにアブラハヤからも袋叩きにあってボコボコにされる様だが、他の毛鉤とは異なり、魚はかなり油断すると見ている。
感覚的にはファザント・テール(ニンフ)やミッジ・ラーバーを流すのに似ているかもしれない。
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