ダンケルドを巻くと(最初は#8や#6だけだった)ブロンズ(ブラウン)マラードが微妙に余る・・・捨てるのも勿体ないのでコイツで何か#12や#14の毛鉤が巻けないか?とパターンブックから探し当てたのがこの愛嬌満点コックロビンとの出会いであった。
おおよそウェットフライやフラッタリングカディスで釣れる魚はドライやルースニングで釣れる時とは少し異なり『・・ヤリあがったな!』と、猛々しくキツイ顔つきで釣れてくる様に見える(私だけ?)が、この毛鉤で釣れる魚はドライで釣れる時と同じ様な比較的穏やかな顔つきで釣れてくると感じている。
この毛鉤が凄いと思うのは、ドロッパーに結んでキャストすると暫くはドライの様に浮いて流れ・・・時にこの状態でドライに出る様な感じで魚が銜える・・・少し水に馴染んでドロッパーらしくなると、それなりに機能して魚を誘う・・・更にズブ濡れになった頃にリードに回すと、いち早く潜行して定位し、これまたそれなりに魚を誘う・・・何とも便利な毛鉤であることに感心させられてしまう。
しかも、大爆発する『当り鉤』に変貌することもなければ、大きくハズして裏切ることもしない・・・コツコツとその場に応じて自分のできることを忠実にこなす器用な職人の業を感じさせる様な毛鉤である。
サイズ・色・雰囲気からしてガガンボやカゲロウを意識する春先に出番が多く、ドライにするかウェットにするか?・・・と悩む時にこの毛鉤を用いて水面で出たら、迷わずドライに切り替える踏ん切りがつくし、リードに回った時に漸く魚の顔を拝めたら、余程の事がない限りその日はウェットで通すことにしている。
こんな日はドロッパーへの出が悪く、リードを抑え込む様な当りで釣れてくれることが多い。
とにかく様々なファクターで毛鉤成績表をこしらえたとすれば、間違いなくコイツはオール3の目立たない万能選手となるだろう。 |