ウェットフライのみならずドライフライを含めてもフライ(毛鉤)そのものを代表するかの様な扱いである故、ここで一般的な事をゴタゴタ書いても仕方がない。
私の場合、ドライフライは『お守り毛鉤』の扱いで使用されることはまずないが、ウェットフライとなれば夏を代表するドロッパーとして重宝している。
理由はこれまた単純で、ドライではややおとなしいものの、ウェットになると取って着けた様な白々しさを誇らしげに掲げる『白いクイルウイング』がドロッパーの視認性として非常に優れている所である。
ここまで来るとさぞかし釣果に影響して効力が落ちるのではと心配したが、全く予想は外れてドライ以上に良く釣れる毛鉤であった。
確かに、異常に白っぽい毛鉤でも釣れる事は認めるが、漂白剤で真白にした様なウイングをここまで大きく取り入れてそれでも秀でた釣果をもたらすのは、このパターンが余程完成された毛鉤である証だろう。
サイズは#10を中心に#12と#8を用いるが、圧倒的に#10を使用することが多い。
一番驚かされるのはドロッパーに用いていてアップクロスにキャストし、流れに乗せてターンを繰り返す、ダウンクロスになったところで大きくドロッパーに結んだこの毛鉤をターンさせる。
殆どはここで出るが、ダメな時はここでロッドを立ててリードを浮き上がらせる動作に入る・・・結局ダメでもう一回・・と、更にロッドを立ててラインハンドで余ったラインを引くと、ドロッパーのロイヤル・コーチマンは完全に空中に引き上げられる・・・この時に水中から空中目がけてロイヤル・コーチマンに襲いかかるイワナが珍しくない。
ド肝を抜くようなアタックで泡を喰らう状況に苦笑しながらもこの御利益に救われたことが数回あった。間違いなく、良く釣れる毛鉤である。
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