私のロッド選びの中で、とっかえひっかえやらかしてしまったのが7フィート以下のショートロッドであろう。それこそ長さや調子含めてグラス素材までに範囲を広げて模索した経歴がある。
私がショートロッドに求めたものは、落差のある渓相で連続する釜や壺を小刻みに切替し良く打ち込める反面、薮やボサ・・垂れ下がる枝が出現すればラインスピードをコントロールして送り込め、突如出現する堰堤にも距離を置いてある程度キャスト出来ること、加えて良型が掛れば素早くバットに乗ってティップが絞り込まれて魚の動きに追随する反面、ここ一番でしっかりタメが利いて魚を素早く浮かすことができること・・・実際こんなロッドが7フィート以下で存在するハズがない。
模索を始めた段階で、「少なくとも落差のある渓相向きの釜打ちタイプ」と「薮沢ボサ渓向きのデリケートタイプ」の2種に分ける必要があるとは感じてはいたが、「どこかに妥協点を見いだせないものか?」・・と諦めきれなかった。
しかし、こうなるとやはり7フィート超えとなってしまい、ショートロッドとして必要条件である【短さ】に不満が残る。
・・・かといって、何かに抜群を見出せば、一方で何かに大きなストレスを感じる。
そもそも私が通う北近畿地方の渓で、本当にショートロッドが必要となる所では概して渓相に一定の傾向を見出すことが難しく、前述した様な無理難題が理想として頭から離れなかった。
そして漸く巡り合えたのがこのロッドである。
このロッドを私なりに一言で示せば、ショートロッドが必要条件となる時に「特定の条件下で抜群を見出すことはないが、どの様な条件でもこれと言ってストレスを感じさせないロッド」と言うことになろう。この「これと言ってストレスを感じさせない」と言うところが比類なきショートロッドであると思っている。一生大切に使って行きたい。 |