このロッド・・私の場合、ダブルハンドが欲しくて購入したのではなく、とにかく長めの低番手が欲しくて購入したに過ぎず、私の中ではあくまでもシングルハンドのイメージであった。
ウェットフライに手を出して渓流ではそれなりに釣れ始めたものの・・・本流に出ると対岸の緩流帯にキャストして、若干留めて沈みを待ってから緩やかに流れ始めてほしいとイメージするが、私のメンディングの技量では全く歯が立たない・・・どの様にキャストしても手前の流芯を上手くかわす事が出来ず、フライは着水直後から加速する様に流芯に突っ込んでくる。
ある時、たまたまテンカラを少し勉強してみたくて購入していた3.9メートルのテンカラ竿で同じ事をやって見た。誠に腹立たしいが完璧とは言えないまでもかなりイイ線でやってのけるのである。
「やっぱりなぁ~・・このぐらいの#3ロッドってないもんやろか?」・・と思っても不思議ではない。そこで当時最長であった10フィート#4を持ち出したものの、この程度では焼け石に水で遠く及ばなかった。
そんな時、店先で見たカタログにこの釣りのオーソリティーのお一人が私のイメージ通りの釣りをなされている写真が目に飛び込んだ。
そこにはこの方がデザインされたロッドが掲載されていた。
「13フィート#2-3-4?・・って4メートルのフライロッドやん!」・・・まさに願ったり叶ったりである。
勇んで店員に問い掛けるも店頭には無かったが、「絶対行ける!」と根拠も無い確信(これがアカンねん!)に支配され、試し振りもせず取り寄せ購入に踏み切ってしまった。
そして待ちかねて入手しこのロッドを見た途端・・「ゴ・ゴ・ゴッツイ竿でんがな!(絶句)」・・この時初めて・・セミダブルハンドである事に気が付いた。誠に恥ずかしい限りである。
しかし、この竿は重量感を除けば、私のイメージ通りの釣りに近づくことができ、それなりに魚を足元に運んでくれた。
それ以外に、本流の大きなぶっつけの奥で「届くモンなら釣ってみぃ~!」・・と嘲笑う様なライズを繰り返すスレッカラシを一撃で仕留めるにも役立ってくれた。
但し、一般的な#3タックルとは一線を画す重量感が付きまとう。標準的な#5を持ってしても遠く及ばぬ重量級である。この竿だけは「担ぐ」と言う表現が相応しく、釣り仲間からも「餌竿」と呼ばれる様になっている。
やはり、シングルハンドと言うイメージではかなり無理があるロッドと言えよう・・・・それが証拠に最初は#2や#3で釣っていたが、今ではDT#4かWF#5で釣る様になっている。 |