いよいよフィールドに向かいます。ここからが経験者に引率されるのと単独で乗り出すのは大きな差が出てきます。 
             引率される場合は概ね釣れる(正確には釣らしてくれる)可能性は高くなりますが、単独だと殆どがサッパリと察します。 
             正直、これは当然のことかもしれません。特にFの「釣りなどやったことがない方」なら、これは致し方ないと言えます。魚が釣れない訳として最たる理由は・・・ 
             「そこに魚が居ないから・・または他人が釣った後だから・・」  
             ・・・が殆どです。 
             
             では、一匹の魚を釣り上げるまでに、克服しなければならない課題を以下に順を追って列挙してみましょう。 
            *釣りに出掛けるまで* 
            ①道具の選定 
            ②釣り場の選出 
            *釣りに出掛けてからロッドを出すまで* 
            ③釣りができる所(渓流なら区間など)を絞り込む 
            ④魚影の有無を想定(確認)する。 
            ⑤他の釣り人の影響を勘案する。 
            ⑥水際に辿りつける所を見つける。 
            *ロッドを出してから* 
            ⑦その日の魚の付場(スポットや棚)を見極める。 
            ⑧結ぶ毛鉤を選定する。 
            ⑨思った様に毛鉤を投じて流す(引く・漂わす)。 
            ⑩魚のアタリを認知する。 
            ⑪魚をフックアップさせる。 
            ⑫魚を上手く取り込む。 
             細かく示せばもっとありますが、大雑把に書くとこの程度でしょう。 
             しかし、これらを何とかクリアしなければならない事実があります。 
             
             ここで、上記の項目から「他人でもできること」と「自分でしなければならないこと」とに分けてみて下さい。 
             極論すれば「自分でしなければならないこと」は以下の四つだけです。 
            ⑨思った様に毛鉤を投じて流す(引く・漂わす)。 
            ⑩魚のアタリを認知する。 
            ⑪魚をフックアップさせる。 
            ⑫魚を上手く取り込む。 
             経験者に引率してもらう場合、上手く行けば他の項目は全て上げ膳据え膳で目の前に運ばれて来る様なものです。 
             竿を出す所も指示され、結ぶ毛鉤もあてがってもらい、後は結んで言われた通りにキャストするだけ・・・つまり、この場合は残る上記の四つを上手くクリアすれば魚を手にすることができます。 
             
             ところが単独でトライすると全てを自分自身でクリアして行かなければなりません。これは引率される場合と比較にならない労力を伴います。そして殆どの場合、上記の四つに辿り着く前の段階・・・つまり・・・ 
             「竿を出す前の段階で完全に外されている事が多い」 ・・ものです。 
             最も多いのが以下の項目と考えます。 
            ③釣りができる所(渓流なら区間など)を絞り込む 
            ↑根拠なく適当と思われます。 
            ④魚影の有無を想定(確認)する。 
            ↑経験なく直感に頼るか無頓着です。 
            ⑤他の釣り人の影響を勘案する。 
            ↑対処方法がわからないと思います。 
            ⑥水際に辿りつける所を見つける。 
            ↑探索に多くの時間が必要となります。 
             経験者でも未知の釣り場では同じ様なものです。 
             
             ですから、釣れない=キャスティングが下手・・とか、毛鉤の選定が悪い・・と考えてしまう前に、釣り場にでたら・・・ 
             ・魚が居るところで釣りをしているか? 
             ・ロッドを振って毛鉤を流す以外のファクターに多くの時間が割かれて無いか? 
             「この2点を注意して客観的に判断すること」・・・が非常に重要です。 
             
             正直、上記「自分でしなければならないこと」は私の様に何時まで経っても今一つ・・と言う様な者も居て、必ずしも経験に比例するものではないですが、「他人でもできること」は場数を踏んでキャリアを積めばそれに比例して「他人にしてあげれること」になって行きます。 
             言いかえれば、どの様な方でも単独で進めば「他人でもできること」はかなり場数を踏むしか手立てがなく、非常に苦労するものです。 
             従って、できるだけ早い段階で最初の一匹を手にする為には、「自分でしなければならないこと」の四つに至るまでの項目が安全確実に保証されている環境に飛び込むしか方法がありません。 
             ・・・かと言ってそんな甘いところはなく、少しでも減らすことを考えるしかないでしょう。 
             
             管理釣り場を考えてみて下さい。 
            *釣りに出掛けてからロッドを出すまで* 
            ③釣りができる所(渓流なら区間など)を絞り込む 
            ↑基本的にほぼ全域で釣れる様に管理されており、大きく外すことは稀です。 
            ④魚影の有無を想定(確認)する。 
            ↑大同小異、魚はストックされており、場所によっては視認することもできます。 
            ⑤他の釣り人の影響を勘案する。 
            ↑殆ど考える必要なし!と言えます。常に釣り人が居て、魚は人に慣れてます。 
            ⑥水際に辿りつける所を見つける。 
            ↑管理側がある程度配慮してます。水際に容易に降りれることが前提です。。 
             先程示した「完全に外されることが最も多い段階」が概ね優位な方向に傾いてます。 
             
             この様な環境に飛び込めば、「自分でしなければならないこと」の四つに・・・ 
            ⑦その日の魚の付場(スポットや棚)を見極める。 
            ⑧結ぶ毛鉤を選定する。 
            ・・・の二つを加えた六つの項目に専念できます。 
             これは書くまでもなく、一匹を手にするまでに相当優位になることは疑う余地がありません。もし、一般渓流やダムで釣れないとお悩みなら、管理釣り場に通い込んで魚を掛けられてから、場数がものを言うファクターにトライされては如何でしょうか? 
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