必要最低限のツールが定まりました。
・・さて、このタイングツールの選定ですが、正直私にはお勧めできる一定の基準を持ちあわせておりません。逆に巷の教本を見ても様々な気がします。
少なくとも巷の論評で共通する強調点は重視されるのが良いと考えますが・・・
「ツールは寿命品・・・しかし、消耗品と生涯品がある」・・事を考慮して購入されるのがお勧めです。
以下は約四半世紀・・毛鉤を巻き続けた私の経験です。
<バイス>
最初は3千円ぐらいのもので2年ぐらい使用しました。これでも最初のうちは充分です。その後は1万円前後のものを使用してきており、3年~7年ぐらいでジョーの状態を見て買い替えております。
拘りとしては・・
「タイングデスクにしっかりと固定できること」
「フックをネジ締め等でどこまでも締め付けていけること」・・です。
数万円の高価な物がこれ以上の寿命となるのか否かは正直わかっておりません。
私の経験からすれば、力の入れ加減が定まらない入門当初は携帯三脚タイプのバイスは回避されるのが得策かもしれません。
<ボビンホルダー>
「殆ど生涯使用できると考えて問題ない」と思われます。
セラミック製に変更した以外は特に拘っておりません。
フロスボビンホルダーは結局使用しなくなりました。
<ポドキン(ニードル+ハーフヒッチャー)>
基本的に短期ではないですが消耗品です。ヘッドセメントを塗布する際にニードルを使用しますが、経年変化で痩せてきます。
様々なサイズを巻くために、ハーフヒッチャーは別途サイズごとに準備してます(こちらは生涯使用できます)。
<シーザス(ハサミ)>
考え方が二通りあります。切る対象(硬い/柔らかい)を定めて使い分ける方法と、拘らず切れなくなるまで使用する方法です。
私は最初の数年程は前者でしたが、結局性格がエエ加減でその後は後者になってます。
とにかくこのハサミの切れ具合が出来栄えに大きく影響します。
「大事に研ぎながら使い分けるか、消耗品として使い捨てるか」・・は人それぞれで決められてよいと考えます。
<ボビンスレッダー>
これまで4個使用しました。全てスレッダーが切れてしまった為に買い替えたものです。殆ど適当です。
<ハックルプライヤー>
「殆ど生涯使用できると考えて問題ない」・・と思われます。
「様々な種類があって好みも人それぞれ」・・です。
色々使用しましたが結局今でも初代のものを使用してます。因みにこの初代のものは当時破格の5千円でした。
「悪い事・・言わへん、職人の手作りや!買ぉ~ときてぇ!」と進められて渋々購入し、最初の10年ぐらいは騙されたと思ってましたが、その後続々と登場する新種を試すもしっくり行かず、結局初代の物に戻っております。
今更ながらに思うのは「使い慣れたものが一番使いやすい」と言うアホらしいぐらい単純な事でした。今ではとても良い買い物をしたと満足してます。
しかし、値がハル物=良い物であるか否かは不確かです。
結論としては、使い手との相性が支配的です。私の場合ハックルのサイズによって使い分ける様なことはせず、ミッジ~#6まで・・すべてこの初代品で巻き上げます。
<ヘアースタッカー>
エルクヘアカディス用に小型とバスバグに使用する中型を用いてます。
生涯使用できるか否かは頻度による様な気もします。これだけは昔の物より最近出回っているものが良い様な気がします。
・・・と言うことで、概ねこれらツールは価格に応じて良くなる様な気もします。
しかし、それなりのツールを買って使用に耐えないと言う代物には未だ遭遇しておりません。従って・・・
「生涯品と消耗品を見極めて予算を配分」・・されるのがお勧めです。
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