巷の教本などによると、「最初に巻く毛鉤として最適!」と言う謳い文句で一つのパターンが紹介されており、理由は「タイングの基礎となる要素がすべて含まれているから」・・等と解説されております。
確かに理由は御尤もでタイングの基礎をしっかり習得しながら進む上では反論できません。しかし、これは必要となるマテリアルを豊富に有している経験者の立場から言えることかもしれません。
マテリアルが充分に整っていない入門者にいきなり様々なマテリアルを準備させる様な進め方は、強いられる側となれば躊躇するのも当然であると考えます。
最初に巻く毛鉤は・・・
「使いたい(使ってみたい)毛鉤からスタートする」
・・毛鉤は釣りに使用する物ですから、これは至極当然と考えます。
とにかく、ドライか?ニンフか?等も含めて・・ご自分の意思(使いたい。巻きたい。)を優先されて問題ありません。これが第一条件です。
これまで完成品をご使用になられてお気に入りがあれば、迷わずそれをコピーして見るのがお勧めです。
そこで、巻きたい毛鉤を選定されたら・・・
「使用するマテリアルは何種類か?をチェック」・・してみて下さい。
スレッドや鉛線(ニンフ等に巻き込む)を除いて何種類で巻ける毛鉤でしょうか?
3種類以下なら迷うことはありません。その毛鉤で決まりです。
4、5種でも若干マテリアルを揃える費用がかかりますが、大した問題にはなりません。
これ以上でも「巻きたい毛鉤」であれば致し方ありませんが、巻き易い毛鉤は概して少ないマテリアルで構成されている毛鉤です。これは頭に入れておくことでしょう。
但し、使用するマテリアルに以下のものが含まれている場合、少々注意が必要です。一度、チェックして見る事をお勧め致します。
1)ハックル
選び方にコツが必要で失敗するとタイングが非常に難しくなるばかりか、かなりの浪費を伴います。この辺りは次項で詳しく述べて参ります。
2)クイルウイング
概して扱いにくいマテリアルと考えて下さい。ニンフのウイングケースやクイルボディーならば大きな問題にはなりませんが、ウイングに用いている毛鉤であれば最初は厄介なものです。コレだけは頭に入れておかないと勘違いによる挫折を味わうかもしれません。最初から完璧に扱える方など、極稀であると思ってます。以外に取数が少なめで高く付くマテリアルかもしれません。もし・・
「軽いお気持ちなら、クイルをウイングに用いる毛鉤は回避されるのが無難」
・・かもしれません。
3)CDC
買い方によって、経済効果が全く異なると考えます。最初は小袋でスタートすることをお勧めしますが、本気でライブラリに加えるなら、パルク売りで買い求めるのが断然お得です。
4)レモンダック
ほぼ、キャッツキルパターンのバンチウイングでしょうが、以外に取数が少なめで高く付くマテリアルです。安定して巻ける様になるまでは安価なマラードダック(黄色染め)で練習されるのも一つの方法です。但し、出来映えはレモンダックとは比較になりません。懐事情との相談でしょう。
5)ジャングルコック・ポーラベアー
殆ど居られないと察しますが念の為、これらは非常に高価でかつ使用用途が限定されるマテリアルと考えます。しかも値に応じて良質となることはもとより、安価なものは名前だけが偽りなく使用する価値なしの物も散見されます。ある程度マテリアルの目利きが出来る様になるまで回避されるのが無難です。安直に買い求めると即刻嫌気がさして買い直す浪費が待ち構えます。
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