前項で示したハックルについて、少し詳しく書いてみます。
ハックルを買い求める場合・・・
「ドライフライなのか、そうでないのかが一つの分かれ目」
・・と言えます。
当然、巷の情報などで「ヘンハックルはドライでは使用できない」とか、「ハックルはケチらずジェネティックハックル(ホワイティングやメッツ)を使用すべし!」と言う様な内容は既に認知されていると考えます。
それでは・・・とジェネティックハックルを店頭で見て価格に驚かれたかもしれません。むしろ、驚かれるのが普通だと思われます。するとその脇にインド鶏など半額以下で購入できるハックルもあり「最初はこちらで充分ではないか?」とお考えになっても不思議ではないと思われます。
あれこれ述べても長くなるだけですので結論を端的に示します。
1)ドライフライの場合
「文句なくジェネティックハックルに代表される毛鉤専用鶏のハックル」
・・となります。
巷の論評の中では最も重要視すべき事柄であると思われます。
例えば、私も含めて周囲の釣り仲間もこれらハックルの価格に躊躇し、インド鶏を購入して巻き始めましたが、全てこのインド鶏を使い切る前、または少し使った段階で、同色のジェネティックハックルを購入して乗り換えております。結局買い換えるなら最初に購入したインド鶏は無駄です。
2)ドライフライ以外(ウェットや一部のニンフ、ストリーマー等)
安価なハックルで大丈夫です。コック(雄)とヘン(雌)だけには注意してください。例えばストリーマー等はストロークが長いジェネティックハックルでは違和感が生じ、今でもインド鶏で巻いております。
毛鉤専用鶏のハックルの値を見て躊躇して居られる方には、確かに最初は極めて高価に見える事は否定できません。
しかし、ハックルケープを一つ購入すると同一サイズで上手くいけば100本、悪くとも80本程度は毛が取れると思われます。すなわちコストを考えれば100円程度/1枚です。毛鉤にもよりますが、概ね1枚で1個巻けるとすれば、その他のマテリアルの単価を考えても完成品よりは安価で極めて高品質な毛鉤を手にすることができます。加えてサイズを織り交ぜると、ドライで使用する#16~#12となれば上手く行けば200本近くは取れると思われます。
私も最初はかなり高価に感じましたが、今では他のマテリアルと比較しても、割高であるとは考えておりません。単純に慣れてしまっただけかもしれませんが・・(笑)
ココまでを考慮しても踏み切れない場合は、インド鶏からスタートして見るか、少量パックでスタートして見るのも選択肢の一つです。
しかし、ドライフライの釣りを続けるのであれば、結局気が付くとメッツかホワイティングかスペンサーなどを手にされてることになるでしょう。
そんなに遠い将来ではないと察します(笑)。
もう一つサドルハックルがあります。コイツは確かに毛鉤が多く作れます。しかし・・
「以下の二つに明確に答えることができない間は、
サドルハックルには手を出さないのが無難」 です。
・巻きたい毛鉤のサイズが確実に定まっているか?
・ドライフライならばテール材はどの様に調達するか?
逆に明確に答えられる方はこちらの方がお得です。概ね殆ど同じ毛鉤の同じサイズしか使用されない方はサドルハックルを使用されると察します。
しかし・・・やはり、最初の間はそこまで決め打ち出来るものではないと思われます。
そこでハックルケープを購入することになりますが、最初から複数個購入するとロッド一本・・下手するとタックル一式に匹敵してしまいます。
ところが一種類であればこれも下手をすると一種類の毛鉤しか巻けません。
実際、タイングを始めてこの悩みにぶち当たられる方は少なくないと察します。
そこで、せっかく「巻くと決めた毛鉤」ですが・・・
「できるだけ多くのバリエーションに対応できるハックルを選び、
最初に巻くと決めた毛鉤を見直してみる・・」
・・事ぐらいしか解決できる方法がありません。
しかし、この「多くのバリエーションに対応できるハックル」を言い切るのは極めて難しい問題です。私の趣味を押しつけるなら簡単ですが、それもおかしな話です。
已む無く示すとすれば、私も含めて私の周囲の釣り仲間が広く使用し、私が行く量販店やフライ専門と思われる釣具屋さんのご意見(一番の売れ筋)、加えてより広範囲で使用できるコストパフォーマンスを考慮すれば・・・「グリズリー」です。
これなら、パラシュートからカディス、ピーコックを交えればテレストリアルにも対応でき、あらゆるサイズに巻いて違和感なく対処できると思われます。
但し、これもかなり強引なお勧めです。しかしながら前途した考え方をご自分なりに消化して判断なされることが最初の出費を抑えるコツかもしれません。
そして購入に際しては・・
「目利きができない内は、ハーフサイズで様子を見る」のが無難です。
もう一つ書かせて下さい。
上記でグリズリーかまたは他のハックルを一つ奮発したとしましょう。
どうせ使い切る前にもっと種類は増えてます(笑)。
道楽とまでは行かぬとも・・・・「趣味に熱中する」とは、そう言うものではないか?・・と思います。
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