冬に逆戻りした様な低水温の春の渓、ド渇水に見舞われた炎天下の夏の渓・・・[流す筋]も殆ど無く(有っても殆ど期待薄)スポットを見極めて毛鉤を[置く]事に専念するしか手立てが無いところまで追い込まれてしまう。
こうなると基本はショートリーダーによるドライフライ・・・釣りのペースだけは2-1群と同じだがアプローチも気分も全く正反対の釣りとなる。
とにかくこのロッドを持つと、先ずは毛鉤を[置く点]を見定める為に視界は数センチのピンスポットにフォーカスが絞り込まれ、渓の雰囲気に浸ると言う様な気分は湧いてこない。
当然、ドライフライで入渓した後でもこの様な状況に陥る場合もあって、そのまま手持ちのロッド(殆どがカテゴリ1群)で通しても大方は何とか対処できる状況にあろう・・
しかし、入渓前からハイプレッシャ―も伴った厳しさが伺え、#18サイズのマイクロスを中心に攻めることになるか?・・・となれば、やはりフライを撃ち込む感じではなく、ライトラインでデリケートに毛鉤を置いて行く事が功を奏すると考える様になった。
この様な釣りでイメージしたのは、至近距離のダッピングに近い形で、蟻が岩肌から転げ落ちる様に、カワゲラやユスリカが一瞬水面に接触する様な感じで、さりげなく毛鉤を置いて行くスタイルである。
結局、水の流れや溜りに点々と見受ける数センチの【帯】や【凹み】を確実に捉えるとなれば、渓流で一般的な長さの8フィート前後、至近距離で極細ティペットのシュートリーダーが操り易い【ややティップアクション気味のライトラインロッド】をイメージした。
稀ににミッジニンフを水面直下に沈めて見たりもするが、この長さが煩わしく7フィート前後を用い無ければならない渓では、1群や2-3群か4-3群のロッドを用いても大差ないと考えられる。
但し、研ぎ澄まして繊細に毛鉤を置いて回っても、出るのは良くても5寸程度の魚が殆どで数を稼ぐ事も難しい。言い換えれば、徒労に終わる事も覚悟の上で半ば捨て身で挑む辛抱の要る釣りであり、相当に厳しくなる事は否めない。
これが関係するのか、ブログを始めてからは最低限の釣果を得る為に[場所替え!]と言う手段でこの様な局面を嫌う様になった。従って、他に何か手立てがあれば回避するのが得策で、私の渓流釣りでは、めっきり出番が少ないロッドになりつつあると思われる。
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